「日本国内で殺人事件については無実が確定しているのになぜ逮捕?」と30代以上の人はそういう印象を持ったのではないだろうか?
知らない方のために若干説明すると、「ロス疑惑」とは1981年に発生した2件の事件を指す。2件の事件とは「殴打事件」と「銃撃事件」である。
殴打事件は、1981年にアメリカを旅行中の三浦元被告の妻和美さんがロサンゼルスのホテル自室で頭をハンマーで殴られてケガをした。
銃撃事件は、殴打事件の3ヵ月後にロサンゼルス市内で三浦夫妻が銃撃され、三浦元被告が左足に重傷を負い、一美さんは頭に銃弾を受けて約1年後に死亡した事件である。
殴打事件については、1985年9月に保険金目当てで実行を依頼した元女優とともに三浦元被告は逮捕され、懲役6年の実刑が確定し、銃撃事件では、実行役とされた駐車場経営会社社長とともに1988年10月に逮捕され、1審で無期懲役の判決、その後の東京高裁で逆転無罪判決、そして2003年3月に最高裁が検察の上告を棄却し無罪が確定している。
報道によると、ロサンゼルス警察の長期未解決事件捜査班が新しい証拠を見つけようで、サイパン入りする三浦元被告の情報をキャッチし、空港で身柄を拘束したらしい。
ロス疑惑を知る多くの人の印象は「日本で無罪が確定した事件について海外では問われるの?」ということではないだろうか。
このような結果の原因には、日本とアメリカの犯罪捜査の違いがあるためらしい。
違いとは、「属人主義」(日本)と「属地主義」(アメリカ)。
アメリカ人が日本で犯罪をしてもアメリカでは原則的には立件されないが、日本人が海外で犯罪を起こしても日本の捜査当局は捜査する。
法律の専門家によると、この原則より、日本人が海外で事件を起こすと日米両国で逮捕・起訴される可能性が生じるわけで、三浦元被告が日本で有罪だったとしても、米国でさらに起訴されることも理論的には可能であり、本来は国際的なルールを作るのが望ましいそうだ。
銃撃事件で亡くなった一美さんの遺族からすれば、「真実はなんだったのか?」が明らかにされる可能性があり、このニュースは朗報かもしれない。
しかし、犯罪者の立場で考えれば「決着がついていることを再びアメリカで問われることは不利益」である。
銃撃事件については、無罪であったので「もし新証拠があるのであれば真実を明らかにするべき」との世論もあると思うが、専門家が指摘するように、仮に銃撃事件について「懲役20年(仮定)」として収監され罪を償ったのちに、またアメリカで有罪刑を受ければ、2重に服役することになる。
犯罪に関する国際ルールを整備しないと、社会的な秩序が保つ事ができないだろう。
しかし、当時、週刊誌やワイドショーでもバンバン取り上げられ、日本の捜査当局とロス市警が必死になって証拠を探したが結局決めてはなかった。
それから20年以上経過し、どんな新証拠が出てきたのだろう?という俗物的な興味があるのも事実である。
今後の動向を注目したい。
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