不祥事の再発防止に関する話題3件。
3件とは、
・沖縄に駐留する海兵隊の飲酒運転
・民放連除名中の関西テレビの北京五輪向け資料に民放連除名中の関西テレビの名前が明記されていた件
・第一生命保険の元社員の架空の運用話による現金搾取
である。

それぞれの不祥事の概要は、
【海兵隊の飲酒運転】
・17日に沖縄市の県道で巡回中のパトカーが蛇行運転している乗用車を発見
・運転していた容疑者から呼気1リットル中0.61mgのアルコールを検出
・女子中学生暴行事件を受け、14、15日に全隊員に行動規範研修を実施した直後の事件

【関西テレビ】
・1月末に関西テレビは再発防止策の取り組みなどの報告書と復帰の請願書を民放連に提出
・2月4日発行の報道機関向け広報資料に「フジ・関西テレビの北京オリンピック中継は・・・」などの記述があった
・北京五輪の放送はNHKと民放連加盟社しか放送できない
・全国ネットの番組資料はキー局のフジテレビジョンが文面を作り、系列局が「フジ」を「フジ・関西テレビ」などと機械的に書き換え、発表する仕組み
・関西テレビは、ミスの原因を「社内的なミス」と発表
・民放連復帰を協議していた近畿民放社長会は関西テレビの再加盟容認の見送りを決定

【第一生命保険】
・2004年頃に、顧客に「第一生命には支社長が中心になって集金して運用する制度がある。ベテラン社員しか選ばれない。利率もいいし、第一生命がやっているから絶対に安心だ」などと架空の投資話を持ちかける
・約30人の顧客から合計約1億円を詐取した疑い
・元営業社員は会社名が入った領収書を渡すなどして顧客を信用させていた
・元営業職員は2007年8月に懲戒免職
・2007年11月に被害者3人が元営業社員と第一生命を相手取って訴訟を神戸地裁に起こす

これら3件の不祥事を眺めてみると、
・根本的に仕組みが見直されていない
・とりあえず「ほとぼりが冷めるまで」という意識が各組織にある
・問題の発生は「個人の問題」「単純ミス」という認識が根底にある
・再発防止策を「教育訓練」など研修に依存している
といった共通的な問題があるような気がする。

基本的に、問題点を「正直では考えられない」「個人の問題だから問題の根絶は無理」などと頭の根っこでは思っているのであれば、組織としての管理レベルはまず向上しない。
海兵隊員の飲酒運転に関しては、同乗者がいたわけで必ずしも「個人のみの責任」ではない。
また、関西テレビの問題は、民放連を除名されているとできない業務にどのようなものがあったのかをチェックする仕組みが無いようだし、第一生命の件は、会社名義の領収書を容易に発行できる仕組みにも問題がありそうだ。

『不祥事を撲滅するためにはリスクマネジメントの観点から根本的な問題を認識し、実態を鑑みて仕組みを見直さなければダメだ』という認識と強い決意がないと、また形を変えて問題は噴出する。
各組織の今後の動向を注目したい。
また、私達は「対岸の火事」と他人事に考えない意識も必要である。

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