契機になったのは「製紙業界による再生紙の古紙配合率の偽装問題」である。
現在のグリーン購入法では、国や独立行政法人に対して環境配慮型の製品の購入を義務付けている。(注:一般企業や国民に対しては努力規定となっている)
その対象となる製品は、紙、文具、OA機器、家電製品、作業服、インテリアなどになる。
グリーン購入法では「環境配慮製品」としての基準・要件は基本指針に規定されていて、例えば、偽装問題になった「紙」であればコピー用紙やトイレットペーパーは古紙配合率100%、印刷用紙なら70%以上と規定されている。
しかし同法では、例えば、
・古紙配合率の表示方法は決められていない
・配合率の真偽はメーカーの自己申告に委ねられている
といった状態であり、こういった点が偽装問題発生の「原因」にもなっているとの声が上がってきている。
今回、環境省がグリーン購入法の改正に着手する理由は、そのような現状が背景にある。
報道等によれば、これらの法の問題点に関して、
・具体的な配合比率を製品に表示する
・各社の申告に対して第三者機関によるチェックの仕組みを導入する
・偽装など違反に対して罰則を設ける
というような点について同法を見直す方向のようだ。
偽装問題が発生した事実から鑑みれば、個人的にはこの同法の見直しの方向は当然だと思う。
感想としては、
・企業のモラルが下がると法律の仕組みが複雑になる
・チェック機関を設けることにより、同法を維持するコストが上がる
という懸念もある。
つまり、「環境配慮型製品が手続きの複雑性により製品として世に出にくくなる」「環境配慮型製品自体のコストが上がる」という事態が発生するのであれば、グリーン購入の意識や行動が促進されなくなるのではないかという懸念がある。
「環境に配慮した製品の購入や使用が国民の務め」という「常識」に社会をしていかなければ、「環境配慮型の社会」の形成や実現は図れない。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というビートたけしさんのギャグがあるように「みんなが守らなければ自分だけが守る必要はない」とどうしても人間(組織)は考えてしまいがちだ。
「ゴミのポイ捨て」を考えても「キレイなところでは誰も捨てない」し逆に「キタナイところではポイ捨てが横行している」のである。
また、同法の見直し事項になると思われる「環境配慮型製品の内容の第三者機関による真偽チェック」の仕組みについては「事前チェックよりも事後チェック・罰則強化」の思想にするべきではないかと思う。
その理由は、
・生命や身体に多大な危害が及ぶものでない
・事前チェックを複雑にすると検証コストが上がる
・そもそも「環境問題」はモラルに基づくもの
と私は考える。
つまり、事後のチェック制度を充実し、違反内容(軽微な過失、故意的な偽装など)によって罰則の軽重に差をつける。また、違反のあった企業に対しては「違反後については当分、事前チェックを強化する」など要は「モラル違反については社会が厳しい目で監視していきますよ」という思想にしていかなければ、「モラルを最初から順守している企業」に対しては、同法の改正はデメリットになるし、浮かばれない
グリーン購入法の改正は有識者を中心に検討が進められ年度内に一定の結論を出すという。
どのような方向で改正されるのか注目していきたい。
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