以前なら「品質」というと一般的には「モノの質」と同義語で捉えられていてメーカーのCMではよく耳にする言葉であるが、サービスが「製品」である企業CMに使用されるフレーズとしては皆無だったと思う。
最近のテレビCMを眺めていて気が付いた範囲で言えば、小学生クラス対抗30人31脚全国大会の特別協賛スポンサーをしている生命保険会社の太陽生命保険は「品質時代」をキャッチフレーズにしているし、航空会社の日本航空(JAL)も「品質」という言葉を使っていた。
日本の国家規格である日本工業規格(JIS)では「品質」という言葉について、
『本来備わっている特性が要求事項を満たす程度』
と定義されている。
つまり「そのものが存在している限り持っている特性が要求事項を満たす程度」が「品質」であり、品質という用語は「モノの質」のみを指す用語ではないし、「特性は要求事項を満たす程度」であればよく、画一的なレベルを意味するものでもない。
ようやく「モノの質」だけでなく「サービスやプロセス、システムを含めた質」が「品質」として捉えられる時代になったのかな、と思う。
最近のCMでは、ビール製造・販売のサッポロビールが「責任品質」(おいしさも、安心も、サッポロビールはすべて責任品質)という言葉を使っていた。
サッポロビールは「品質は、畑から」というコーポレートスローガンや「協働契約栽培」など原料の調達からこだわった製品作りを追求している。
余談であるが、「協働栽培」とは「同じ目的のために協力して働く大麦やホップの契約栽培農家」を指すのだろうけれど、「栽培農家との適切な互恵関係」を築いていこうという姿勢が見えて良い。
多くの企業は時として「協力会社」(原料・副資材の調達、下請負製造)を「使ってやっているんだぞ」という態度丸出しのあごで使うような契約や対応をする。
これは、「使っている側」にはそのような気が表面上はなくとも「使われている身」にはひしひしと感じる。
話を「責任品質」に戻すが、「責任品質」とはどういう想いが込められたコーポレートスローガンなのだろう。
「品質」は通常、良い、悪い、優れたなどの形容詞とともに用いられる。
「責任品質」をそのまま捉えると「品質を満たすために立場上当然負わなければならない任務や義務」となる。
つまりは、「原料調達、製造、製造に関わる環境管理、商品の広告、物流などありとあらゆる製品をとりまくサービスやプロセス、システム、活動に顧客満足や社会的使命を担った責任を持って挑んでいます」という意味なのだろうか。
サッポロビール関係者の方にお会いしたら「責任品質」について聞いてみたいと思う。
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