札幌市教育委員会が「不祥事防止のために~教育に寄せる信頼を損なわないために」という13ページの冊子を作成し、市立小中高校など339校の全教職員約1万人に配布したという。
この冊子で扱われている不祥事は、
1)窃盗
2)体罰
3)セクハラ、わいせつ行為
4)交通違反、事故
5)個人情報紛失
で、実例と処分内容が明記されており、それぞれの項目には自分が不祥事を起こす危険度を測るチェックリストを掲載しているそうだ。

不祥事が発生した場合、不祥事そのものや謝罪方法がテレビ時代において注目を浴びるのでその部分が強調されて連日報道される。
時として、メディアは過剰反応し、ミスを犯した組織や人間を徹底的に攻め立てる。
しかし、真に重要なのは「不祥事の原因特定」と「再発防止(是正処置)」、「再発防止策の効果の検証」である。

上記不祥事について考えると、「学校内(業務中)の問題」となりえるのは「体罰」「セクハラ」「個人情報紛失」ぐらいだろう。
これらの不祥事は「発生原因」が「管理上の問題」(例:情報管理システムが確立されていない、抑止や監視体制が不十分など)であったりするので「再発防止」が比較的実施しやすい。
しかし、「窃盗」、「交通違反、事故」はどうだろうか。
交通違反はともかく、窃盗や事故の原因特定は難しい。
したがって再発防止(特定した問題の原因に対する対策)の実施が難しい。

冊子(パンフレット)作成・配付という再発防止対策から「不祥事の原因」を考えてみると、原因は「犯罪との認識が欠けていた」「自分が不祥事や犯罪に手を染めてしまうかもしれない危険性がある性格だと言う事を把握していなかった」ということになる。
しかし、不祥事の原因は果たしてそうだろうか。

是正処置の観点から考えると「再発防止策の効果の検証」という概念が出てくるが、この場合は「パンレット作成・配付後の上記5項目に関する不祥事発生件数」を監視することによって効果を計る事ができる。
しかし、残念ながら恐らく効果はないだろう。
それは不祥事防止対策が不祥事の「真の原因」に対する対策ではないからだ。
仮に、数字的に効果があったとしてもそれは結果オーライと考えるのが妥当なのだろう。

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