(前編からのつづき)
上記のようなフレーズは、当事者の立場を考えれば気持ちはわからないでもないが、基本的には、この意識ではなかなか監査の本質的な目的を果たすことができない。
マネジメントシステムの導入組織はもちろん、顧客や利害関係者が「ISOマネジメントシステム導入組織に価値や意義を感じる」のは簡単に言えば、
1) 顧客要求事項や法規制等要求事項を満たした製品/サービスを一貫して提供できる能力がある
2) 継続的な改善プロセス、システムの効果的な適用を通じて顧客満足向上の目指している
からである。
キーワードとなるのは「一貫して提供できる能力」「継続的な改善プロセス」「システムの効果的な適用」。
つまり、組織に『結果オーライではない確固たる仕組みと仕組みが機能する態勢(または仕組みが機能しない体質や思想、制度、資源の配分)が備わっているかどうか』がポイントなのである。

この観点で考えれば、「現在業績がいい」とか「今は業務が上手く回っている」というのは必ずしも「マネジメントシステムとしての保証は担保されていない」のである。
業績の良し悪しは、個人のノウハウに依存(属人的体制)、業界を取り巻く時代背景、ブームなどによる部分が大きく、マネジメントシステムの優位性とは直接関係がない。
もちろん、監査側の視点としては「業績がいいのは仕組みが機能しているからかな?」と捉えることも必要ではあるが、大抵はそれ以外の要素である事が多い。

ともかく、「マネジメントシステムの意図するところや価値」「マネジメントシステム監査の役割や視点」をISOマネジメントシステム導入組織内部が「腹に落ちる」(真に理解し、納得する)までには、時間が掛かるものである。
導入組織自身がこれだから、消費者や購入者、世間一般が「マネジメントシステムの本質」を理解するのに多大な時間が掛かる事は当然なのかもしれない。

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