約6年前に今は休刊となったISO専門誌(2001年11月号)から依頼され執筆した記事の一部を以下に紹介させていただく。

(引用ここから)
認証審査を実施している審査員は言わずもがなですが認証機関に所属しています。
認証機関の審査方針による審査手順は各機関さまざまであるが、審査員各々の審査技術は認証審査の目的が適用規格に適合しているか否かの判定をするのが一義的ではあっても以前のようなチェックリストに従った「あるなし」審査に終始する審査員は減っていると思います。
審査員も人の子ですから「受審企業に喜ばれる審査をしたい」と願っている事は間違いありません。

つまり審査員はシステムの弱い部分を見つけ、システムの有効性の改善のヒントとなるような審査をしたいと願います。
しかしそのような審査をするとなると洞察力と感受性と卓越したインタビュー技術が必要です。
それらのバランスが上手く取れないと受審側は審査員が何を聞きたくて、どのような事を気づかせたくて審査しているのか見えなくなり、結果として不信感を招く事もあります。

現状の大方の認証機関の「良い審査員」とは(ホンネは)、「苦情のでない、あたり障りのない審査をする審査員」になっている気がします。その結果、受審側からは審査は「そのレベルか」と信頼性を損なわせるか、審査員の安易な「良く出来ていますね」と言うコメントを鵜呑みにして、他の視点で審査された時に拒絶反応を示します。審査員は日々の審査が徐々に「こなし仕事」になり、不適合として観察された現象のみを計画された要求項目のチェックリストや報告書に埋める事があたかも主目的である審査になって、結果として顧客ではなく認証機関よりの骨抜きにされた審査員が蔓延して来ている感じです。多くの審査員は「契約審査員」なので余計な発言をして受審者の不信感を招き、認証機関からの審査依頼が減少する事が一番の関心事だからです。
(引用ここまで)

改めて読み直すと、今でも状況は変わっていない、むしろ進んでいるところもある。
また別の機会に現状を考察してみたい。

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