(前編からのつづき)
この状況を組織が自力で抜け出すためには、
1)例え話などを交えた、理解しやすい適切なISO要求事項の教育
2)日常業務や生活を通じてのISO規格の理解強化
を継続的に実施するしかない。
ただ、仮に1)を適切に単発的に座学教育として実施してもすぐに忘れる。
講習会参加者からよく聞かれるのは「どうやったらISO規格を理解できるようになりますか?」と聞かれるが、日常生活の出来事を「ISO規格ではどこの要求事項を指すのだろう」と常に意識の上では「業務と規格の適用(当てこみ、位置づけ)」を意識的に繰り返すしかない。

例えば、今は冬だからマスクをしている人が多い。
マスクをしている人が「メガネがくもらないマスクと広告されていたから買ったのに、すぐにくもる」と文句を言っているシーンを見たら、
・マスクの設計レビュー(7.3.4)や設計検証(7.3.5)はどのように実施したのだろう
・マスクの設計の妥当性確認(7.3.6)の方法や基準はどのように計画したのだろう
・顧客満足(8.2.1)調査はどのように実施したのだろう
・「マスクがくもる」という苦情が入ったらどのように対応しているのだろう(不適合製品の管理:8.3)
などを頭の中で思考することが規格の理解や解釈強化につながる一番の方策だ。

また、現在は忘年会のシーズンであるが、忘年会をお題にするなら、
・参加者を組織要員として位置づけるとしたら、忘年会の目的や案内方法(内部コミュニケーション:5.5.3)
・参加者を顧客として位置づけるとしたら、その要望を確認する(顧客関連プロセス:7.2)
・忘年会の進行や会場の企画(設計管理:7.3)
・忘年会会場の選定(購買:7.4)
・忘年会当日の進行などスケジュール管理(製造およびサービス提供の管理:7.5.1)
などと忘年会に関して発生する各プロセスをISO規格に当てはめて(位置づけて)、各プロセスの計画・実行に関して「何か見落としはないか」と頭の中をぐるぐる思考させることが重要である。

その他の最近の話題では、世の中が乾燥している。
すると券売機や銀行のATMの前でタッチパネルがなかなか反応しなくてもどかしい思いをすることや、並んでいるとそのような人を見かける機会が多い。
この状況を「ISO規格で位置づけながら思考する」とどうなるだろう?と考えてみる。
ISO規格が手元にある方はぜひ試してみると思考がどんどん深くなり、想像力も広がることに気がつくと思う。

上記で紹介したような思考を日常生活ですることは、一見面倒ではあるが、ISO規格をある程度自由自在に業務管理に使いこなせるようになるための王道であり、近道であろう。

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35