「完全に裏切られました。もうこの内閣には期待できません」「何の役にも立っていないのがくやしい」と原告団が涙した姿は印象的だった。
12月10日に薬害C型肝炎訴訟で、被害者全員の一律救済を実現しようと原告・弁護団が、福田康夫首相に政治決断を迫るため官邸を訪れた。
しかし、首相との面会は多忙を理由に実現しなかった。

大阪高裁は、11月の和解勧告までに提訴した原告171人には一括して補償金を払う一方、追加提訴者の救済は、国と製薬会社の法的責任を85年8月~88年6月に限定した3月の東京地裁に沿った救済にとどめる意向を原告・被告双方に伝えている。
しかし、これでは171人の原告と追加提訴者の救済内容に差が出てしまう。

ハンセン氏病の時に小泉首相(当時)が政治的決断できた理由は、患者がこれ以上増えないことが想定できたからだとも言われている。
つまり、薬害C型肝炎訴訟の場合は、「どれだけ被害者が増えるかわからない」「他の薬害訴訟にも影響を与える」という理由が「政治的決断」できない理由とも言われている。
しかし、そんなバカな話はない。

薬害C型肝炎訴訟については、国が感染の可能性のある情報を掴んだときに告知しなかったことがポイントとなっている。
告知していれば適切な対応が取れて命が助かっていた人もいるのだ。
これについて、厚労省は文書管理がずさん、法律的に告知の義務はない、など冷たい事を言っている。
目の前の1人よりその後の責任問題やその他の訴訟、製薬業者に与える影響などを考えて何もしない事ほど罪なことはない。

30年近く前のNHKドラマに故鶴田浩二さんが出演した時のセリフで警備中に警備の範囲外の場所で異変があったが何もしなかった部下に「お前らは鞄(かばん)が壊れたから靴屋に直して欲しいと来た客に何もしないのか」と叱責(部下の警備員役は水谷豊さんと柴俊夫さん)するシーンがある。
なんだかそのシーンを思い出してしまった。

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35