崎陽軒は28日朝に神奈川農政事務所に「原材料表示にミスがあった」と連絡をした。その連絡を受けて農水省はJAS法の品質表示義務違反とみて同日、本社、横浜工場、東京工場を立ち入り調査した。公表分以外に違反事例がなければ、文書による指導にとどまる見通しだという。
JAS法の違反内容は「昔ながらのシウマイ」など10種類22品目。
本来は原材料について使用量の多い順に表示するべきであるが、5番目に重量がある干しホタテ貝柱を2番目に表示していたのだ。
ニュース情報を整理すると、不適切表示の原因は、
・干しホタテ貝柱を水で戻した際の重量をもとに表示してしまった
・2001年4月のJAS法改正で表示順が定められたが、修正していなかった
・ホタテ貝柱はかつて『主原料』だったため、法改正後も表示が正しいという思い込みをしていた
ためだという。
この不適切表示に対して崎陽軒が取った処置は、
・出荷済みの「真空パック」製品などを回収、廃棄
・販売店と協議のうえ、一部の製品については正しい表示のシールを貼って販売
・12月上旬に正しい原材料表示が印刷された箱や包装紙で製造・販売を再開
・販売済みの製品についても交換や返金に応じる
と発表した。
ニュースだけではわからないが、「回収・廃棄」される製品と「正しい表示を貼って販売」する製品の違いはなんなんだろう、と思う。
製品が賞味期限内ならば、すべて「正しい表示を貼って販売」でいいのではないかと思う。
不適切表示の原因から想像すると再発防止策は、
・製品仕様書の作成(新規、改定)時点で、使用原料の重量と表示順のチェックするシステムの構築・強化
・JAS法改正に伴う現製品の表示内容をチェックするシステムの構築
・JAS法について品質管理部など製品表示内容に関する関係部署の理解度の向上
(関係部署の必要な力量と教育方法の見直し)
などであるだろう。
ただ、報道を知ってすぐに思ったのは、
・崎陽軒自らの社内調査で発見して、ちゃんとそれを世間に公表したこと
・一連の食品不祥事をきっかけにして社内調査を実施(予防処置という発想)
については、企業として救われるし今後に期待できる。
最悪なのは、内部告発やマスコミ、農水省など外部からの指摘でしぶしぶ公表することになるケースだ。
「対岸の火事」的にそういった思考や行動を取っていない企業やこっそりと表示内容を改めた企業もたくさんあるのではないかと思う。
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