ある時、原子力工学の世界では著名な日本の老科学者と長い時間、お話しする機会に恵まれた。
その時に気づいたのは、この方に限らず「学者」といわれる方は大抵、初対面の相手に必ず聞いてくるフレーズがある。
それは「あなたのご専門分野は何ですか?」である。
たぶん、この質問をしなければ相手がどんな人なのかイメージがわかないのだろう。

一般的なビジネスシーンでは、初対面の人に対して、
・会社名
・所属部署(または、主な仕事内容)
・役職
・お会いする時の目的(趣旨)
などを説明して、打合せや商談が始まる。
しかし、学者さんは会社名や簡単な仕事内容を説明してもそこからは、こちらの人となりのイマジネーションが湧かないことが多いようだ。
それは、学者さんはビジネス経験が少ないからかもしれない。
そこで「専門分野は何ですか?」という問いかけになるのだと思う。

ただ私の場合は学者さんに対して、この説明手順を踏むと余計に相手が混乱することが多い。
ダイレクトに現在の仕事を説明すれば「企業の経営マネジメントシステムの監査を専門にしています」とか「企業の経営管理システムの構築や仕組みの改善支援を専門にしています」と話すことになる。
しかし、学者さんは続けて「学校(大学を指す)では何を専攻されていたのですか?」聞かれるので「海洋工学です」と話すと途端に質問した学者さんの表情が困惑してくる。

学者さんの概念では「職業分野と学問の専攻分野はほぼ一致している」という認識があるのかもしれない。
つまり私の場合であれば「学校での専攻は経営学です」と回答すれば、そこで学者さんは合点がいくのだろう。

しかし、残念ながら私は「経営学や経営工学、管理工学」は学校では専攻していない。
時間がたくさんあるときは「専攻分野と職業の関係」を説明できるが、普通は時間がなく、それでは話がスムーズに進まないので、学者さんに対しては若干脚色して「仕事は企業の経営管理システムを監査して改善アドバイスをしています。
学校の専門は経営(工)学です。」と説明するようにしている。

地縁血縁の強い土地で仕事をしている時は、相手に対して「私はどこそこの息子です」とか「誰と友達」という説明で自分自身の自己紹介を大してしなくても、ビジネスが始まるから面白い。
目の前にいる相手よりも「自分が知っている人」のイメージや話題から目の前の相手との話をどんな風に話しはじめればいいのかイマジネーションやきっかけが湧くのであろう。

ちなみに、私が初訪問の企業さんとお打合せする際にイマジネーションを大づかみする方法は、その会社の「沿革」と「経営方針」、「主力製品」、「組織図」を見せてもらうことである。
会社のパンフレットがあれば特段の説明を求めなくてもそれを見れば、とりあえず相手企業のイメージがつかめる。

初対面の相手(人や企業)のイメージを短時間に的確に掴む事が、良好なコミュニケーションをするための秘訣である。
「大づかみで相手のイメージを掴む方法や話のきっかけとなる話題」は人それぞれでなので、自分のスタイルを確立する事がポイントなのである。

※本文は「自分を変える”気づき”ロジカルシンキングのススメ」
http://www.mag2.com/m/0000218071.html 第46号の一部を転載しています

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