(前編からのつづき)
一般消費者を対象とした製品やサービスを提供する大手企業は苦情対応には力を入れている。
たいていの場合、こういった類の企業には「お客さま相談室」といった部門がある。
この部門にはコールセンターや支社から刻々と苦情関連情報が入ってくる“ことになっている”。
ある企業で、コールセンターや支社から時々刻々と「お客様の声」が情報システムに入力されてきている画面を見た事があるが、毎日百件以上の情報が集まってきていた。
この画面を見ている限り「お客様の声は水も漏らさぬ態勢で拾われているんだろうな。すごい!」と思ってしまう。

ある日、利用しているデータ通信サービスがまもなく終了するので、サービスを変更する必要に駆られた。
2年ほど前?に携帯電話に関連する法律が制定されて以来、法人も個人契約も新規契約の際は登記簿謄本や免許証など組織や本人を確認する書類の提示が必要になり手続きが面倒になった。
だからサービスを切り替える手続きが「新規扱いになるのなら変更は面倒くさいなぁ」と常々感じていた。
ただ、数年前から設備投資や経営戦略上の都合でPHSのデータ通信サービスが終了することはインフォメーションはされていたが、サービスを提供する会社の事情だからその会社の他のデータ通信サービスにやむなく変更する際は「機種変更扱い」になると(希望的観測で)思っていた。

実際にショップに行くと事前に懸念していた通り、主に以下のようなやりとりになった。
店員:「新しいデータ通信サービスになるので新規契約なので登記簿謄本が必要になります」
私:「そちらの事情でサービスを終了し、こちらはやむなく変更するのだから機種変更でしょう。なぜ登記簿謄本いるの?」
店員:「規則ですから・・・」
私:「“規則ですから”は説得力がないよね。あと、1年前に、法人契約の携帯を増やした際(回線の増設)には謄本は必要なかったよ。」
店員:「う~ん。・・・」
私:「規則だからじゃ納得はいかないけど、う~ん・・・実際仕事が忙しくて明日からは出張だし、謄本を取りにいく時間がないんだよね。ただ、手元に最近スキャンした謄本があるからそれではだめですか?」
店員:「謄本の原本のコピーをとるように指導されていますので・・・」
・・・堂々巡りの会話が延々と続く・・・
奥から偉い人が出てきたが「立場が偉いだけ」で状況は変わらない。
(ちなみに、こういったケースの場合、ひたすら平身低頭の下手に接してくる偉い方が多いが、この方は案外横柄な態度なので余計に腹が立ってきた。まったく、接客業向けの管理職とは思えない)
私:「わかりました。では、顧客の苦情を組織に上げる仕組みを説明してください」
お店の偉い人:「・・?」
私:「お客様の声を活かした業務改善例がパンフレットになっているけど、ここにある「お客様の声」(苦情含む)がどのように組織に上がるか説明して欲しいだけなんですけど」
お店の偉い人:「(担当者に指示しながら)システムに私がいう文章を入力してくれるかな。・・・・・(私の方を見て)この内容でいいですか?」
私:「苦情区分は何にされたんですか?」
お店の偉い人:「意見ではどうでしょうか?」
私:「えっ!?これは『苦情』扱いで上げてくれないと意味ないんだけど・・・」
お店の偉い人:「回答はお客様の連絡先に電話(つまり口頭)でよろしいですか?」
私:「電話には出られない事が多いからメールか文書を郵送で欲しいんですが」
主に、こんな感じのやり取りだった。

やり取りを通じて感じたのは、
・こちらが言わなければ苦情情報をシステムに登録しない
(つまり苦情情報として組織に認識されない)
・何も言わなければ「意見」区分で処理する気だった
つまり情報が上がらないまたは不満と認識されないであがるケースが案外多いんじゃないかな、と思った。

ちなみに、その日のその後の私であるが、言うまでもなくデータ通信では長年お付き合いしてきたこの会社の契約は解除し、データ通信に力を入れている通信会社に切り替えた。
この契約は家電量販店で契約したが、店員さんはこちらの矢継ぎ早の質問に的確に対応していてしっかり担当者として十分な力量を満たした状態であり訓練されていた。
ただ、量販店は「契約先の通信会社の代理店である」という立場の悲しさか、契約書類を作成しているときに、請求の〆日や署名欄の記入方法について要望を言ったが通信会社に苦情関連情報を吸い上げられるシステムではなさそうだった。
担当の店員さん曰く「以前、(通信会社に)要望を上げたけど“○○と説明して”といわれただけで、できない理由も今後の改善予定も示されなかった」という。

上記の経験より、マネジメントシステム上は「苦情対応マネジメントシステム」が構築されていても、
・現場から苦情関連情報が上がらないケース
・現場から苦情関連情報が上がっても適切に処置されないケース
は結構ありそうだな、と企業の苦情対応マネジメントシステムを考える上で、参考にしよう!と思ったのである。

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