大学の入学式用にスーツを始めて購入して以来、今までの人生で30着ぐらい買ったと思う。
仕事着がスーツ職業の人間としては決して多い数ではない。
スーツは効率的に着まわせるように夏と冬を中心としたスリーシーズン(4-9月用、10-3月用)で揃えているから、それぞれ15着ぐらいになる。
意外と人に驚かれるのが、大学入学式用に購入したスーツ(約20年前)がまだ着られることだ。
体つきや容姿は重力や老化によって変化したけど、ウエストはそんなに20年前と変わっていないのでパンツ(ズボン)が問題なく穿(はけ)けるのだ。

流行のファッションには全く疎く、社会人になった頃に購入したスーツも着られるので、廃棄したスーツも殆どない。
購入する場所も紳士服量販店か量販店の流通からあぶれた激安店だ。
ただ、いくら流行に疎くても、10数年前に購入したスーツが「ダサい」と痛切に感じてきた。
今の流行は、袖丈も背丈も短く、シルエットはスリムだからだ。
10年ぐらい前は、ゆったりしたちょっとだぼっとした感じが流行った時期があったから今とは対照的でさすがの私でも違和感がある。

普段、「作業着」であるスーツに関しては「着られればいい」と多寡をくくり、お金を掛けない方であるがっているが、さすがにイマドキでないので意を決して近所に最近できた紳士服量販店(現在は上戸彩さんがCMに出ているお店)にスーツを買いにいった。

いつもの購入方針は、
・流行に捉われにくいオーソドックスなデザイン
・価格が安い
・色は無難なグレー系か紺系
・生地はウールの割合が多い
といったところである。
今回は上記方針に「体形がスリムに見える」「若々しく見えるデザイン」を加えた。
ただ、私のサイズは「A7」でこのサイズは極めて競争率が高く、購入方針に適っても肝心のサイズが合わないことが殆どだ。

こんな感じで、私の場合購入方針がはっきりと決まっているから「パンツ丈を合わせてもらう」まで店員さんは全く必要ない。
ただ、購入方針に適ったスーツを求めて店内を隅から隅まで物色するから、こちらの状況を的確に見極めていない店員さんは「お探しの品はどんなものですか?」とか「サイズはお分かりですか?」とか「ぜひ試着してみてください」とか「話しかけないで!!うるさ~い!」と感じる接し方をしてくる人が多い。

今回も案の定、若手の男性店員とおばちゃん店員が「ぜひ、ご試着してみてください」と「店内でまごまごしている客」というイメージで相次いで寄ってきた。
思考を巡らせているときに店員さんに話しかけられるとウザい。
話しかけてきた会話を丁重に振り切っても、引き続き話しかける店員がいるお店だと、極端な話、むかついて出て行ってしまうこともある。
私の様子を見ていた中堅クラスの店員さんがおばちゃんに話しかけていた。
きっと「お客様(私)への接し方」を注意されたのだろう。

「パンツ丈を合わせてみるか」とフィッティングルームを探しているときに、件(くだん)の中堅店員が「お荷物お持ちしましょうか?」と話しかけてきた。
手には購入候補のスーツ3着とネクタイなど小物商品を持っていたから「どうもすみません、丈を見てもらっていいですか?」とこちらも即、応じた。
すると畳み掛けるように「試着用ワイシャツをお使いになりますか?」といわれる。
スーツ選びをするので襟付きのシャツを着てきたが、カジュアルシャツだったので、これも着たイメージをより作る上ではありがたい。

結局、3着の候補スーツのうち2着は購入に至らず、そうなったときに「買おうかな」と思っていた紺のブレザーをチェック。するとパパッとこちらがイメージしているパンツ(柄、デザイン、価格)を数着見繕って持ってきてくれる。
たぶん、店内物色中の様子から「この人、こういう商品を購入しようとして来たんだな」とか「好みの色やデザインや価格はこの辺なんだろうな」と目星をつけていたのだろう。

お客が明確に要求したことだけをするのは最低ライン。
優秀な店員は、お客様の状況を店内に入ったときから商品の品定めをしている時までチェックして、お客のニーズや期待を的確に見極め、適切に応えられる人なのである。

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