高級料亭「吉兆」を展開するグループ会社の一つ「船場吉兆」が福岡市の百貨店岩田屋(地価食品売り場の吉兆天神フードパーク)で菓子のラベルを張り替える偽装を繰り返して消費期限切れの菓子を販売していた事件は9月に福岡市に匿名の通報が入ったことから発覚した。
ここ最近の食品不祥事事件はいずれも内部事情に詳しい関係者の通報により発覚している。
29日の午前に謝罪会見を行った船場吉兆の湯木尚治取締役は「決して会社ぐるみの偽装ではない」と釈明したが、仮にそうであれば内部統制機能が働いていない。

船場吉兆側の説明によれば、吉兆天神フードパークのみで販売していた「黒豆プリン」「桜ゼリー」「抹茶ゼリー(抹茶涼み)」「タルト」「ほうじ茶ケーキ」の5種類の菓子は製造を業者に委託し、消費・賞味期限は納入日の翌日に設定して販売店舗でラベルを貼っていた。しかし、売れなかった場合はアルバイト店員6人が期限を1日延ばした表示のラベルに張り替え、再び店頭に出していたという。
つまり、売れ残り商品の消費期限表示の張替えをしているうちに「本来の消費期限」を越えて販売してしまったというのだ。(消費期限を2週間以上過ぎていた物もあるし、廃棄した商品はなかったという)

この説明を聞いて、結果論としては「日本農林規格(JAS)法違反(不正表示)」(現段階は不正表示の疑い)であるが、そもそも食品衛生法に基づけば「製造元」が消費期限ラベルを貼って販売元に納品しなければおかしい。
「製造元」に消費期限ラベルを貼らないように指示していたのは船場吉兆側の指示だそうだ。(製造元社長は「世界の吉兆だから信頼してその指示に従った」とメディアに語っている)
また確かにラベルを張り替えていたのは「アルバイト店員」であるが委託製造元からの商品毎の納入日をきちんと管理していなければ、機械的にアルバイト店員は売れ残り商品のラベルをせっせと翌日送りの新消費期限ラベルに張り替えるだけだからとっくの昔に本来設定した消費期限が過ぎてしまうリスクがあることを船場吉兆側は認識して納入個数と販売個数を管理していなければおかしい。

船場吉兆の肩を持てば「菓子をその日のうちに食べてもらいたいから消費期限ラベルは店頭で貼るルールだった」と思いたい。
しかし、そのことは逆に「本来設定した消費期限を越えて表示してしまう」ことと「店舗内で廃棄品を出さないための故意的不正」を引き起こすリスクがあることを認識して内部チェック体制を確立しておく必要がある。

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