企業のマネジメントシステムの認証制度が日本でポピュラーになって約15年が経つ。マネジメントシステム規格の国内の登録企業数は約10万件近いともいわれ中堅以上の規模の製造業では認証取得していない企業の方が珍しいし、サービス業でも取得企業は珍しくないものになった。

このISO認証制度は「認証を受けた企業から製品やサービスを買う(または買う可能性のある)人や企業」のために存在する。
製品やサービスを買う立場で考えれば「安い」「早い」「質がよい」が買う基準の目安にはなるが、それに加えて「経営の仕組みがちゃんとある」のであれば顧客はより安心して製品やサービスを買うことができる。
例えば「聞いたことのない飲食店」を利用するときに「当店はISO9001(あるいはISO14001)の認証取得をしています」という案内があれば、
・利用者の期待を満たしている食材の選定基準がある
・スタッフ(例:調理する人、接客する人など)の教育システムがある
・利用者の苦情や要望を今後のサービスに活かす仕組みがある
・環境に配慮した経営の仕組みがある
・経営に対する方針が明確にある
などの仕組みが整っていることが保証されているわけで、要はそのお店をはじめて利用するにあたって「お客さんを欺かない経営の仕組みがある」ことの証(あかし)がある訳だから利用する側にとっては信頼して利用できる目安になるはずだ。

ただこの制度が一般人にややこしいのは「製品やサービス自体の保証」ではなく「製品やサービスを製造または提供するプロセス(業務の過程)の保証」であることだ。
だからスーパーに買い物に行っていろいろなメーカーが製造している商品を選ぶ際に「商品」自体を見てもISOを取得している企業の商品かどうか通常はわからない。
なぜならば「商品自体の保証ではないので商品自体には認証シンボル(認証ロゴマーク)」を入れる事ができないからだ。
これでは一般消費者にとっての「商品を選ぶときの差別化」にこの制度はつながっていない。誤解を恐れずにいえば「もっと認証シンボルが世の中に流布して使われていなければISO認証制度への関心と理解、消費者の選択の指針には成り得ない」と思う。

具体的には、スーパーに「認証取得メーカーの商品棚」を設けるとか「認証取得メーカーの一覧表を掲示する」とか「ISO認証取得企業の商品を購入するとサービス券が付与される」などの消費者がISO認証制度に関心を持つシステムがあるべきだと常々思う。
要はスーパーでお客さんが商品を選ぶときに「賞味期限」や「原産地」をチェックするのが当たり前になったように、それに加えて「認証取得メーカーであるか否か」のチェックもできるような価値観や習慣にしていかなければ、ISO認証制度の意味がないよな、と思っている。
そうすれば、消費者の認証企業や認証機関、認証制度に対する関心が高くなり、目も厳しくなるから制度自体ももっと成熟していくと思う。
現在の方法では、エンドユーザー型製品やサービスは購入側の視点では選定基準に成り得ていないと思う。

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