会社勤めのときは業界紙や所属団体から業界の動向や関連する講習会・講演会の案内、所属団体の会合などに出席する役割の人がいて知識を組織で共有化する事ができる。
しかし、独立すると日常業務に終われてしまうのでついつい情報を入手し損ねたりする。
だからたまに、コンサルタント仲間や認証機関、業界紙の知人・友人と情報交換する。
客観的に見て面白いのは、独立したコンサルタントは多くの場合能弁になる。以前はそんなに話をしなかった人もよくしゃべるようになる。
たぶん、日常の会話大半がクライアントさんになってしまっているからだろう。
組織にいると、仕事内容や自分の立場を理解してくれる同僚や上司・部下に「今日は客先でこんなことあったんだよね」といった雑談トークをするから、知らず知らずのうちに考え方が整理できたり、「愚痴」を聞いてもらってストレスを発散したりしているのだろう。
だから独立すると情報交換の場に「話がわかる仲間」が突如登場するから、能弁になるのだろう。
業界情報を交換しているある時、コンサルタント仲間から「お客さんで“まわりの同業者がISOを続々と止めているが組織内外に後腐れなくフェードアウトできる方法をアドバイスしてもらえないか”と言われてがっかりした」という話を聞いた。
確かに我々としては「今まで何のためにISOを使った組織管理や業務改善を指導してきたんだろう」という気になる話である。
話は若干ずれるが、朝青龍問題からの若手力士の急死事件まで一連の不祥事に対する日本相撲協会の対応を見て、松浪文部科学副大臣が「親方の資質や力量を明確に問う必要がある。また研修制度が必要」といった趣旨の見解を示した。
そのことを受けて元小結の龍虎さんや元関脇の琴富士さんがテレビのインタビューで「そのように管理される体制になっては誰が親方をやっても一緒。個性的な力士は生まれない」と松浪文部科学大臣の見解に批判的なコメントをしていた。
このことは「仕事のマニュアル化」=「金太郎飴ようになる」、「システム化」=「没個性」と世間の多くの人が考えていることを示すのだろう。
前述した「ISOをどうやって後腐れなくフェードアウト」の話もこれと似ていると思った。
つまり「まわり(同業)がやっているから」とか「上からの指示で導入し認証を取った」「ISO導入後、理由がわからない仕事や文書、記録が増えた」の域から実態も発想や認識も抜けなかったのだろう。
「属人的な個人の知見・能力」を「組織全体の知見・システム」として捉えて、組織的として継続的な改善ができるようになる要員一人ひとりの思考力が身に付く枠組みがISO、と捉えられる認識レベルまで至らなかったんだなぁ、と考えるとさびしい気持ちがしてしまうのである。
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