この資格維持にはいくつかの条件があるのであるが、そのひとつに「継続的専門能力開発(CPD)」がある。
要は、審査員が自らの強みと弱みを理解して目的を持って審査員としての能力維持・向上を図ったかどうかが資格更新の条件なのである。
私の場合はこの1年の間に「不祥事を止めるISO思考」(光文社)という単行本を執筆した。
この実績をCPD実績としてまとめたものがあるので参考までに以下に記述する。
【専門能力開発の目的】
今回のCPDの目的は、出版社(光文社)からの単行本の執筆依頼に対して、品質マネジメントおよび品質管理の原則についての知識向上を習得することである。
具体的に言えば、審査活動の中で日常的に理解している品質マネジメント、品質管理に関する知識のズレの修正と組織に対する改善の機会(組織のマネジメント上の強みや弱みリスクなど)提供における能力向上を狙った継続的専門能力開発(CPD)である。
CPDは、私が今まで審査やコンサルティング活動を通じて経験した組織やメディアを通じて報道されたISO認証組織の不祥事、品質管理に関する図書(「不祥事を止めるISO思考」の参考文献の欄参照)の熟読を通してそれらを整理することにより実施した。
【専門能力開発によって習得した事項】
今回の専門能力開発の習得方法は、
a)出版社との打ち合わせ
b)参考文献の熟読
c)日経新聞を通じてのISO認証企業の不祥事情報の整理
d)過去の審査事例およびコンサルティング事例の整理
e)b)~d)の取りまとめおよび本の執筆(自分の意見の整理)
によって実施した。
また専門能力開発によって習得した事項は以下の3点である。
1)品質マネジメント、品質管理の考え方(標準化思考)
2)不祥事を発生させたISO認証企業の品質マネジメントの問題点
3)品質マネジメントを業務に活かしているISO認証企業の傾向
1)品質マネジメント、品質管理の考え方(標準化思考)
改めて専門図書を通じて「顧客重視」「5S」「重点指向」「PDCA」「4M」などについての知識を整理できたことは有益であった。
2)不祥事を発生させたISO認証企業の品質マネジメントの問題点
新聞紙上等で話題になった組織の不祥事について、各メディアを通じて報道されている内容より分析
を試みた。その結果、不祥事には「消費者軽視で利益最優先」「隠蔽体質」「同族経営(独裁的な体質)」「上層部が絶対的な権力を持っている」「自己中心的な幹部や社員が多い」「自社のブランドに奢り高ぶっている」「過去の栄光にしがみついている」などの傾向が見られる事がわかった。
しかし、各不祥事事例を突き詰めて分析していくと根本的に人間のモラルに関わる部分を除き、組織の品質マネジメントシステムを改善することで一連の不祥事発生が予防する事ができたのではないかと思われるケースが多い事がわかった。
3)品質マネジメントを業務に活かしているISO認証企業の傾向
ISO規格を特段意識することなく日常業務を「ISO的思考」で実施している事がわかった。
以上のように、本の執筆を通じたこれらの学びは今後の審査活動における有益な知識習得になった。
以上がCPD実績記録(本の執筆)の事例であるが、この内容で資格更新出来ることを今は願っているのである(笑)。
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