毎日新聞ニュースによると、時津風部屋の序ノ口力士が急死した問題(斉藤俊さん=時太山)で遺体を解剖した新潟大学大学院の出羽厚二准教授(法医学)が取材に応じ、「初動に問題があった。家族に指摘されて解剖する事態になったのは大失態」と愛知県警の不手際を指摘したという。
つまり「今回の愛知県警の対応では力士の急死事件は表面化しなかったかもしれない」というのだ。

事件を時系列で整理すると
2007年6月25日 
・斉藤さんが地方場所の滞在先である犬山市の寺を脱走
2007年6月26日 
・AM11:10から約30分間兄弟子らにぶつかり稽古部屋をさせられる
・PM2時頃に犬山市の病院で斉藤さんの死亡が確認される
・愛知県警が捜査員を派遣し検視を実施
・犬山市の病院が死因を「心不全」と判断した
・愛知県警は時津風部屋から「激しいぶつかり稽古をした」と事情を聞く
・愛知県警は病院の判断と時津風部屋の説明より事件性は薄いと判断
・斉藤さんの遺体を時津風部屋に返す
・斉藤さんの遺族(新潟市)は深夜に遺体を受け取る
・遺族が遺体の傷を不審に思い新潟県警に解剖を要請
2007年6月27日
・新潟県警は検視の結果「普通の傷ではない」と判断し愛知県警に連絡
・夜に新潟大学大学院の出羽准教授に愛知県警より解剖の要請が入る
・出羽准教授は「多発外傷による外傷性ショック死」と評価する

上記を見ると愛知県警は、
・犬山市の病院が死因とした「心不全・虚血性心疾患」は解剖結果ではない
・「激しいぶつかり稽古」との説明は加害者の可能性がある部屋側の主張
でもあるにも関わらずなぜ「事件性はない」として遺体を部屋に返したのか疑問が残る。
現在、愛知県警幹部は出羽准教授の指摘に対し、
「しかるべき(初動)捜査を行ったが、(遺体の扱いなどについて)批判を受けても仕方ない部分もある。真相の解明に向け、さらに必要な捜査を進めたい」
などと話しているという。

えっ?!必要なのは『さらに必要な捜査』ではなくて、『この初動捜査の真相解明と問題点の改善じゃないの?』と思う。
愛知県警幹部のこの認識で、再発防止ができる組織体制なのだろうかと思ってしまう。
「お医者様が判断したのだから絶対」とか「警察が判断したから絶対」と昔からあまり疑問を持たずにすごしてきた部分に「過失が起きる根っこ」があるのは間違いない。
「外部からの批判等にさらされにくかった世界」は、「権威」に守られていて、方法論の見直しがなされてこなかった。
「自らの手順の効果や効率性」「社会的情勢に見合った手順」という視点ではおそらく自らの組織を眺めたことはないだろう。
こういった世界の「自浄作用」はなかなか期待できない。

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