8月は「白い恋人」の石屋製菓だったけど、今度は伊勢名物の赤福餅だ。
赤福餅は「伊勢名物」ではあるが名古屋や大阪近郊の主要駅でも販売されているから三重出張でなくてもほぼ必ず買って帰る。
8個入りの小箱(700円)は「自分用のお土産」(帰路の車中で食べる駅弁代わりに購入することもある)としても買って帰る事が多いから、たぶん私は今までの人生において100個以上は赤福を食べたことがあるだろう。
赤福の不祥事も「白い恋人」と一緒で消費期限に関するものだ。
2007年10月12日に伊勢保健所に入った外部情報より農林水産省と伊勢保健所が「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律違反容疑」で立ち入り調査を実施した。
立入り調査をした農水省の発表によると、実態は
○出荷において余った赤福餅を冷凍保存して解凍日を製造年月日とした
○冷凍保存した赤福餅には「未出荷」と「配送車に積み込んだまま持ち帰った」ものがある
○解凍して再包装するものを「まき直し」と称していた
○偽装品の出荷量は総出荷量の約18%に上る(H16.9.1~H19.8.31)
○原材料表示が使用した重量順でなかった
(「砂糖、小豆、もち米」と表示すべきところを、「小豆、もち米、砂糖」と表示)
ということがわかったそうだ。
赤福サイドの謝罪会見を聞くと「冷凍・解凍工程も製造の一部という認識だった」と苦しい弁明をしている。
ただ、そうであるならば出荷できる状態まで製造した赤福餅を「出荷用」として梱包せずに「在庫」として冷凍保存し、出荷量の増減に合わせて解凍・梱包して出荷すればいいのである。
一度「出荷するために梱包」したものを「まき直し」し、製造日(謹製日)を新たに入れるのは、仮に衛生学的に問題ないとしても「製造日の偽装」といわざるを得ないだろう。
赤福餅の現在の消費期限は「製造日を含めて夏場で2日間、冬場で3日間」である。
「お土産としての赤福ブランド」があるから、余った商品を廃棄物にしないためには、まき直しした商品について新品同様の扱いをするしかなかったのだろう。
ただ、個人的には、私のように「自分用」に購入する場合は、例えば、
『この商品は製造未出荷品を冷凍し解凍後に再包装した商品です。品質上の問題は一切ありません』
と表示されて、2割引にでもなっていれば間違いなく「まき直し品」を買う。
ルイ・ヴィトンやプラダ、ブルガリだって「アウトレット」があるんだから、表示や販売方法を工夫すれば姑息な手段を使わなくても正当に製造ロスを減らすことができるのではないだろうか。
ついでに「環境にも配慮して品質上問題のない商品の廃棄物削減にも取組んでいます」と宣伝すればいいのだ。
ちなみに赤福の2006年9月期決算では売上高84億円、当期利益は11億円になるという。
しかも赤福は無借金経営で知られており、内部留保は200億円強あるそうだ。
石屋製菓の内部留保も約160億円といわれ、急激な経営悪化になることはないようだ。
確かに一般のお菓子と比べて割高な「高級ブランド菓子」は他の商品に置き換えられる事が少ないから、生産・販売が再開されれば業績は元に戻れるだろう。
赤福餅の「赤福」は「赤心慶福」に由来するという。これは、まごころ(赤心)をつくすことで素直に他人の幸せを喜ぶことが出来る(慶福)という意味だそうだ。
今回発覚した行為はまるで「赤心」ではない。
業績回復よりも、信用回復や老舗ブランド力に胡坐をかいて来た企業の体質改善の方が、時間が掛かるのであろう。
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