先日ある企業の更新審査があった。(その企業さんには初めての訪問だった)
最終会議を終えて、署名の取り交わしなど事後処理をしていたら事務局さんがつかつかとそばに寄ってきて「御著書にサインをいただけませんか?」という。
審査中はプライベートな話はできないから5月に発刊した本のことは一切話題にしなかったのだが、この事務局員さんはすでに私の本を購入して熟読されていた読者さんだった。
詳しく聞くと、審査登録機関から審査チームが連絡されてきて社内に連絡したら、ある部署の部門長さんが「このチームリーダーの本が本屋さんにあったよ。読んだ方がいいよ~。」と教えてくれたという。そのおかげで社内には他にも読者さんがいるという。
なんだか嬉しいけど、恥ずかしい。

審査後数日して、その事務局員さんからメールがあったので、差し障りのない範囲で返信したメールをご紹介させていただく。

(紹介メールここから)
(省略)
>当社のシステムは骨格があるだけで、中身はまだまだだと思っています。
>私は、まだまだ力不足なので、これからも勉強して、ISOを活用した効率の良い
>仕事が出来るように、頑張ります。
○○さん、審査員として↑上記コメント、とてもありがたく拝読しました。
確かに貴社のシステムは「骨格が機能しているのみで、まだまだ効率化の余地がある」と思います。ただ、審査でも申しましたように「○○さんをはじめ、経営層のISOを活用されようとしている姿勢と現在の各部門管理職さまの理解度・認識度は多くの他の認証企業様と比較して高い」と感じました。
最近では、ISOマネジメントシステムが活かしきれずに(要は形ばかりで“ISO思考”が身に付かなかった)経費的な面を含めて「断念(認証を返上)」するところが増えてきました。それによって懸念されるのが「ISOは終わった」とか「ISOは使えないマネジメントツールだ」などといった「ISO負の意識」が世の中に伝播していくのを怖いです。
△△企業さんや○○さんのように「ISOを業務に活かそう」としている企業や人々の足を引っ張ることにならないで欲しいと思っています。

>著書のほうは、確かに規格のことは多くは書かれていませんでしたが、読みやす
>く勉強になりました。私個人としては、規格をより理解するための材料にはなる
>ように思いました。
このコメントもありがとうございます。
ISOは「規格に適合させる」というよりも「規格の意図を理解して日常業務を規格と比較して何がこの仕事に足りないか発想する(ISO思考)」が身に付かないと「ISOを使った業務改善」は無理なんです。
しかし、多くの企業の人はそれがわかっていないですね(苦笑)
例えば、審査で目標として「社員の教育レベルを上げる」となっている部門があったら審査員は「この目標の達成度はどのように設定されますか?」と質問します。
しかし、ISOを4~5年やっている会社の部門長でさえ「ポカ~ン」として「審査員さんは、
何を聞かれたいのだろう???」という顔をしていますからね~(笑)
この意識では、ISOをツールとして業務に活かせるわけがないですよね。
⇒このことについて、私の本を読んだ方が同じようなことをブログで書いていました。
http://plaza.rakuten.co.jp/nextpeak/diary/200705300000

「ISOを業務に活かす」というのは「ISOの規格要求事項に適合させるための書式や文書を揃える」ことではなく「ISO規格が要求している意図を理解・認識して、日常業務の中で当たり前のように思考(ISO思考)しながら仕事ができるようにする」ことなんですが、多くの企業はその一番大事な部分をちゃんと教え込んでいない。
貴社の今後のISOを活かした業務活動が成功されることを祈念いたします。
(省略)
(紹介メールここまで)

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