この制度の主な特徴は以下の3つとされている。
1)中小企業でも取り組みやすい環境経営システム
⇒企業の環境負荷把握や環境対策の自己チェックが比較的簡単にでき、真に取り組むべき項目が簡潔にまとめられている
2)環境負荷の削減(環境パフォーマンス)
⇒二酸化炭素排出量、産業廃棄物排出量、水使用量の3つの項目を把握し、それらを削減するための省エネルギー、リサイクルなどの取り組む事が必須とされている
3)環境活動レポートの作成・公表
⇒環境方針、取組実績などを環境活動レポートとしてまとめ公表する
エコアクション21のポイントは「企業が自主的、積極的に環境経営に取組むことを促進するように工夫されている仕組み」ということになる。
確かに、ISO14001を導入している、あるいは導入したことがある企業であればわかるが、まともな経営システム(マネジメントシステム)が存在していない企業がISO14001に取組もうとすると、
○規格が要求している意図がイメージできない
○規格の用語がわからない
○すべての業務プロセスを抽出し環境に関連する側面を特定するのが難しい
○特定した環境側面から生じる環境影響を評価することが難しい
など、すぐに壁にぶつかる。
そういった点が、エコアクション21の場合は比較的わかりやすくガイドラインが整理されていたり、環境に関連する業務が取組チェックリストとして雛形化されていたりするから壁にぶつかりにくいとは思う。
環境省が掲げるように「脱温暖化」「循環型社会の実現」の実現に向けて多くの企業がエコアクション21に取組むことは有力な手段であると思う。
ただ、現実に企業に訪問してエコアクション21の審査やコンサルティングを指導している立場で言えば、
○制度が企業の自主的な環境活動を逆に阻害している
○審査人の監査力量により企業の自主的な環境活動が逆に阻害されている
○環境経営の意図を理解し取組むことより、認証が目的化している
などが発生し、なかなか「自主的、積極的な取組み」とはなっていない。
特に企業が「監督官庁から多くの許認可」を得て成り立っている業種は、「認証にパスするためには審査人の意見に従えばいい」という受身な姿勢が前提・根底にある。
「企業が自主的、積極的」になるためには、兎にも角にも「エコアクション21を導入し、認証を得たことによるメリットが上記問題点を上回るように制度を多面的に改善していく必要性」がある。
エコアクション21の認証範囲の対象としていない部門が企業にある場合、対象としない理由を聞くと、
○対象とするとシステム構築が大変だから
○審査で受け答えする能力がないから
○審査や準備費用が増すから
などといわれるケースが多い。
仮に企業が環境に取り組むことを重要視していても「エコアクション21に取り組むことや審査を受ける中で環境活動のやる気を削がれた」という声を聞くと残念、かつ、申し訳なくなることがある。
つまり制度を運用していく上でまだまだ改善の余地(例:審査人のインタビュー技術、審査手続き・費用など制度設計面、世間に対する認知度など)があると実感する。
また、環境経営への導入のハードルを下げても、制度を利用する人、価値観を持つ人が増えて導入メリットが実感できないとなかなか「自主的な活動」は向上しないのである。
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