この商品は今年の3月6日から発売されて発売2ヶ月で200万本を販売した超ヒット商品である。
自主回収の理由は、使用に伴う火災や顔面やけどが22日までに20件発生したためだと言う。
ライオン社では殺虫剤に対する殺虫スプレーの気になる点として
○スプレーした殺虫成分の人体への影響(80%)
○使用後のニオイ(57%)
○使用後の汚れ(36%)
などが挙げられていることと、使用者の9割以上が、購入時に「人体への安全性」を重視していることを分析し、その結果「殺虫成分のない殺虫剤」開発に取り組み、このバルサン氷殺ジェットの商品化に至った。
特に飲食店や食品工場、乳幼児のいる家庭のニーズにははまっていると思う。
事実、この消費者視点の開発は「どんぴしゃ」だったと思う。販売2ヶ月で200万本の販売は驚異的だ。
2006年度の殺虫スプレー市場は250億円と言われるので、バルサン氷殺ジェット4製品の平均販売価格を800円として200万本売れているから約16億円となる。仮のこのペースで売れれば年間96億円となり殺虫スプレー市場の約40%を占めることになり他社製品や自社の他の商品を圧倒する爆発的商品となる。
しかし「好事魔多し」(良いことには邪魔が入りやすい)とはこのことか。
噴射剤には可燃性のLPガスが使用されている。
この仕組みはヘアスプレーと一緒で消費者にとって身近なものである。しかし、ヘアスプレーは捨てるときに「穴を開けてガスを抜く」か「すべて使い切る」かしないと危ないとは分かっているが、使用時は火気に近づけることは無く、事故は起き難い。
しかし、「バルサン氷殺ジェット」は害虫に向けて噴射するので火気に近づけてしまう危険もある。
2004年12月29日に中外製薬がライオンに一般消費者向け医薬品事業を譲渡してから「バルサン」はライオンのブランドとなった。
ライオンのブランドなってからは電気や電池、薬剤を使用しない虫除け、ダニ駆除製品が開発されていて「環境に優しい」製品を追求している姿勢が特徴的である。
バルサン氷殺ジェットのミスは、
○斬新的な商品ゆえ、消費者の危険性に対する認識が低かった
⇒消費者へ危険性の宣伝・周知が普段以上に必要だった
○メーカーが想定した噴射時間と場所に必要な換気対策について設計が不十分だった
⇒使用条件設定と設計の妥当性確認の強化が必要
といえるだろう。
ただ、この商品を総合的に考えれば、消費者ニーズを満たしている商品だと思う。
不備を見直しして販売が再開されることを期待したい。
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