第89回全国高校野球選手権大会は「公立の星」佐賀北が劇的な逆転勝利で参加4081校の頂点に立った。
ここ数年の大会では、H15年が常総学院、H16,17が駒大苫小牧、H18は早稲田実業が優勝したから、今年は深紅の優勝旗が5年ぶりに西日本に渡ったことになる。
独断と偏見で大会の印象を振り返ると、
○特待生問題で揺れた年に公立高校が優勝
○下馬評の高かった東日本勢が早々と姿を消した
○結果だけ見れば九州勢が強く、近畿勢は弱かった
○広陵高校のジンクスは続いた
○決勝戦のラストは昨年の決勝戦を彷彿させる
○佐賀北の戦いっぷりは1976年の桜美林高校を彷彿させる
などである。

今年の高校野球は春の大会から「特待生問題」で出場辞退や名門野球部の解散(のちに復帰)など激震が走った年だ。
しかし、優勝したのは毎年国公立大学に100人以上を輩出し、練習時間は3時間以内、試験の成績が悪ければ部活動禁止、特待生制度などと無縁、2回目の出場でそれまで甲子園未勝利の佐賀北だった。
これはなんとも皮肉で興味深い結果だ。

また、下馬評の高かった高校や注目されていた高校、スター選手のいる高校が早々と姿を消した。
例えば、駒大苫小牧、仙台育英(佐藤投手)、帝京、智弁和歌山、金光大阪(植松投手)などだ。
優勝した佐賀北も久保投手も大会前はまったく下馬評に挙がっていなかった。しかし、決勝までの6試合30数イニングを久保投手は無失点と好投した。

広陵高校のジンクスはあまり取り上げられていないが、面白い。
春は3回優勝しているが、夏は決勝に進んだ3回とも準優勝。
しかも、決勝進出の間隔がちょうど40年ごとになっている。
○昭和2年(第13回大会) 高松商業に1-5で敗れる
○昭和42年(第50回大会) 習志野に1-7で敗れる
○平成19年(第89回大会) 佐賀北に4-5で敗れる

下馬評が高くなかったチームが試合を重ねるごとに自信を深め、強くなっていって優勝した過去の思い出は、第58回大会(昭和51年)に初出場初優勝した桜美林高校(決勝戦のスコアはPL学園に延長11回で4-3)。
佐賀北の場合は、宇治山田商業との引き分け再試合がターニングポイントになった気がする。初戦、2戦目校には失礼であるが、いきなり強豪校に当たらなかったのも、試合毎に自信を付け強くなれた要因のひとつのような気がする。

7回まで1安打の佐賀北打線が8回に押し出しと副島選手の満塁ホームランで劇的に勝ち越し、その次の回の9回表の最後の打者が広陵エースの野村投手。
高校野球は、筋書きのないドラマとはこのことで、最後のバッターが逆転ホームランを打たれた野村投手(結果は空振り三振)。
去年の決勝戦、早稲田実業と駒大苫小牧の最後のバッターは田中投手で結果は同じく空振り三振。

私が野球びいきな点を差し引いても、今年の高校野球は、選手が小粒(確かにハンカチ王子こと斉藤投手のような超話題になった選手はいない)、強豪高、近畿勢が早々と姿を消して盛り上がりに欠ける、などと言われながらも、結果的には盛り上がった。
それにしても、高校野球はマスコミにあまり作られていないドラマがたくさん生まれて面白い、とつくづく思う。

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