「監査計画を作ってください」と何も注意事項を言わずに内部監査員(候補者、受講生)に言うとたいていは、監査時期、監査部署のみを計画したものを作成してくる。
そこで『「不良品が増えた後」「大クレームが発生した後」の内部監査だったらどんな監査計画を立てますか?』と問いかける。
すると、「検査体制のチェック」、「作業員の教育体制のチェック」「設計業務のチェック」「クレーム発生後の対応体制のチェック」「不良原因に伴う再発防止状況」などの監査をする、という意見が挙がってくる。
内部監査に関する規格要求事項では、監査プログラムを計画するときに考慮する事が規定されている。
それは、前回までの監査結果及びプロセスの状態と領域の重要性、環境上の重要性といった点である。
よく考えてみればこの要求事項は当たり前のことで、監査の目的が、
○規格要求事項に適合しているか
○組織が規定したことや関連する法規制に適合しているか
○マネジメントシステムに改善の余地はないか
であるから、業務状態が悪ければその原因はなんだろう、仕事の仕組みが適切に回っているのだろうか?という点を重点的にチェックするべきなのは当たり前だ。
健康診断を受けるときも、前回「異常」と診断された部分、最近目が霞む、頭痛になる事が多い、胃が痛い、など身体に変調があれば、通常の診断項目に加えて「異常部分のその後の経過」「脳ドックを受ける」「胃カメラで診断してもらう」などを診断項目に追加するだろう。
私のイメージでは簡単に考えれば「変化があった部分」に関連する項目を考慮すればいいと思う。
例えば、「仕事量が増えている」「人事異動があった」「製品や工程、設備の変更があった」「業務方針上の重要な業務」「年度目標の達成度、進捗状況が悪い」「プロセスの監視データが計画通りでない」「法規制の改正があった」などに関連するシステムが適切に機能しているかを考慮して監査計画すればいいと思う。
ここまで、6回に渡って『内部監査員養成研修で伝えたいこと』と題して内部監査員候補者や内部監査員に伝えたいことの概要を述べた。
最低限、ここで述べさせていただいたことを頭に入れて監査を行うと充実した監査が実施できる。
当たり前のことを書いたに過ぎないが、ぜひ念頭に入れて監査で試して、監査技術を向上させて欲しい。
(このシリーズ 完)
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