今月は講習会の仕事が比較的多い。
講習会講師歴は10年以上になるが、まだまだ講師として気づかされることも多い。
例えば、受講生の知識の温度差が激しい場合は、反応をみながら受講生と「今日の講習会はこんな点やポイントを基本に進めていきますね」という暗黙の合意をどこかで得て講義をする必要がある。
これをやらずに、自分のペースで進めていくと、知識の浅い人は「ちんぷんかんぷん」で退屈してくるし、知識が深い方は「もっと自分の知らないことを教えてよ」と言う不満顔になる。

また「自意識過剰」「プライド」が高い人が多いときの講習会は、「受講生への語りかけ」「相手を否定しない」などの話し方の工夫が必要になる。
「プライド」が高い人に質問をして、その回答に対して「それは違いますね」と即座に言ってしまうと、講習会場の場がなんとなく重い空気になる。
「その考えもありですね・・・ただ、このケースの場合はこんな風に考えるのもいいですよね」と話しかけると、その回答をした人も救われるし、その回答をした人以外の方からも別の質問や意見が出て講習会が盛り上がる。
日本人は公衆の面前で間違えることを極端に嫌うし、「恥」と考えるから、その辺を考慮して講義を進めていかないと、受講生に質問を振ってもだれも反応してくれなくなる。

あと、余談や例え話のネタもレパートリーを増やしておく必要がある。
「受講生」の年齢や業種が広範囲であるとその度合いは高くなる。
私は比較的「耳年間」なので自分が生まれる以前のことも、最近の若者話題も案外対応できるのではあるが、その場の空気を読まないと受講生にとってピンと来ない、あるいは不快な例え話を延々とすることになる。

例え話として出してはいけない話題に「宗教の話」と「政治の話」がある。
政治の話は時節柄、話しやすいのではあるが、調子に乗って話してしまうとどうしても「自らの政治信条っぽい話」になってしまうので、不快な感覚を持つ人の割合が高くなる。
また歳をとると10年前の話題も「つい最近」と思ってしまうが、20代を相手に話す場合は「10年は大昔」である。

「KY」(空気読めない、あるいは、空気読め)と言う言葉が政界で現在流行っているそうであるが、その場のKYを把握して一本調子にならない講習会を行うのも「講師の力量」だな、とつくづく思うのである。

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