福岡ソフトバンクホークスのリック・ガトームソン投手(30)が日本プロ野球界初のドーピング違反でNPB(日本プロ野球組織)から処分されました。
ガトームソン投手は斉藤和己投手や新垣渚投手などケガ人の続発しているソフトバンクホークスにおいて貴重な先発ローテーションの一人でしたから王監督は悩ましいところでしょう。

球団代表の角田雅司氏の説明によるとガトームソン投手は約1年半前から米国の医師の処方による飲む育毛剤を服用していたそうです。この育毛剤にフィナステリドという利尿作用を持つ禁止物質が含まれていて、それがドーピング検査で引っかかったと言うのが事実のようです。
つまり、筋肉増強や違反薬物である筋肉増強剤使用を隠蔽(いんぺい)するために服用していたわけではないようです。

ガトームソン投手の説明では「今年のキャンプの際に球団トレーナーにこの育毛剤の使用を通知し、自分自身ではやるべきことをやった」との認識なのでドーピング違反とされたことは残念に思っているようです。

では、なぜ球団トレーナーからNPBに摂取薬の通知がなされなかったのか?
原因は、
○球団トレーナーにドーピングの意識と知識が不足していた
○球団トレーナーから球団管理部門、球団管理部門からNPBという報告ルートが確立していなかった
と言うことに尽きるようです。

現状、プロ野球のドーピングに関するマネジメントシステムは、ソフトバンクに限らず十分とはいえないようだ。
西武在籍時の松坂投手ですら、冬季オリンピックの銅メダリストの黒岩彰代表(当時)がいたから防いでいた、という「いつうっかり」が発生してもおかしくない危なっかしいシステムだったようだ。

ドーピングに対する説明会はNPBも球団独自でも実施されているから、「ドーピングに対する意識」は選手にもトレーナーにもコーチや監督、球団幹部にもあるだろう。
ただ、座学の教育は「単なる意識を啓発するレベル」でしかなく、問題が発生しないために十分な仕組みとはいえない。
マネジメントシステム的には、まずは、
○球団トレーナーとして採用する者の力量
○選手が摂取する薬物の選手⇒球団⇒NPBへの報告ルートの確立
○選手の摂取薬について適切な管理方法の確立と知識・判断力を持った職員の雇用
などの整備が必要だろう。
プロ野球は国際化は遅れ、国内的には国民的人気によって支えられてきたスポーツであるため、「国際標準」についての体制整備は遅れている組織が多いと思う。
やはりマネジメントシステムの確立はどんな組織にも重要なのである。

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