まじめに取り組んでいる会社が悩んでいるケースにISOを導入して数年経過するが「マネジメントシステムと業務実態がなかなか整合して改善が進まない」というのがある。
マネジメントシステム認証を維持したいだけの会社であれば、要求事項で最低限必要な文書と記録を審査用に作成し、苦情や不良品からの改善事例がゼロというケースが普通だ。
審査で何かを学ぼう、気づこうという意識は希薄なので、審査側がいくら力んで「よい審査」を心がけても正直なところむなしいだけだ。
ただ、まじめな中小建設会社さんの場合も、文書や記録だけを見る限りは「認証を維持したいだけの会社」と状況が似ている。
つまり、
1)是正処置、予防処置を含め改善事例がほとんどない
2)マニュアル等で規定され、認識されていることは業務実態の一部に過ぎない
という感じで、違うところは、
3)内部監査員教育や内部監査に予算と時間を掛けている
という点だ。
上記状況は理由がある。
突き詰めれば、
○不適合製品、苦情、内部監査からの改善しか期待できないシステムになっている
○マネジメントシステム上の位置づけが不明確な業務がたくさん存在する
○改善するためには内部監査の強化が必要と企業も担当する審査員も考えている
ということになると思う。
中小建設業、特に土木工事業の場合は実態として不適合製品と苦情はそんなに多くない。また20人程度の会社で「自分たちの決めたシステムの有効性チェック」を内部監査に期待するのは実態として酷である。
顧客要求も狭義の製品品質は当然として、原価・工程・安全・購買先管理に関する度合いも高いし、会社として管理面を実際はかなり力を入れている部分だ。
しかし、マニュアル等で管理を明確にしているのは「狭義の品質」の部分ばかり。
これでは「マネジメントシステムとして明確に位置づけられて管理されていないプロセスばかり」なので結果として「プロセスの監視やデータ分析から改善につながるシステム」がまったく機能してこない。
経営者や管理者の目が届きにくい会社や客観的に他部門の業務の仕組みをチェックできる規模とレベルの会社であれば内部監査は内部監査自体も内部監査を実施する監査員にとっても非常に有効である。
しかし、経営者や管理者が目配せできる規模の会社であれば「プロセスのタイムリーな情報や傾向」を管理者が掴めるようにマネジメントシステムを設計しておき、運用することの方が「改善を推進」する上では重要なのである。
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