7/6の産経新聞でシエスパ建設から爆発までの主な経緯が時系列で紹介されていたので考えてみたい。
以下が記事から抜粋した主な経緯である。
平成13年ごろ 温泉施設建設計画が浮上
14年1月 住民が建設反対運動を本格化。約2000人の署名を集める
14年7月 ユニマット不動産が温泉掘削許可を東京都に申請
11月 東京都が掘削を許可
12月 掘削工事に着手。ユ社側が1回目の住民説明会開催
15年6月 掘削工事完了
8月 温泉掘削会社がガス濃度の測定結果をユ社側に書面で通知
16年6月 シエスパ建物の建設計画発表。住民説明会を開催
7月 地元住民が区に建設反対を要望
10月 ユ社側と住民が工事の安全管理などに関する協定書を締結
17年1月 シエスパ建物の建設開始
3月 温泉調査会社がガス濃度を測定。滞留で大惨事になることを指摘
4月 ユ社側と掘削会社などが住民にガス測定結果を公表。
開業後のガス検知器によるチェックを確約
18年1月 施設メンテナンス会社がユ社側にガス検知器設置の必要性を要請
シエスパ開業
19年6月 爆発事故発生
上記の経緯を眺めていくとポイントは、
H15年8月 温泉掘削会社がガス濃度の測定結果をユ社側に書面で通知
H16年10月 ユ社側と住民が工事の安全管理などに関する協定書を締結
H17年3月 温泉調査会社がガス濃度を測定。滞留で大惨事になることを指摘
H17年4月 ユ社側と掘削会社などが住民にガス測定結果を公表。
開業後のガス検知器によるチェックを確約
H18年1月 施設メンテナンス会社(日立ビルシステム)がユ社側にガス検知器設置の必要性を要請
シエスパ開業
である。
このことよりこの施設運営の最大の問題は、
【ユニマット不動産は住民との約束を破って施設運営をしていた】
(開業後のガス検知器によるチェックをしていない)
という点であるということがわかる。
(※マネジメントシステム用語では、その他の同意した要求事項の順守評価)
ユニマット不動産が施設管理を委託していた施設メンテナンス会社(日立ビルシステム)からも「ガス検知器設置の必要性」が要請されているのに、ガス検知器を取り付けずに開業したことからユニマット不動産は「地域住民との約束を反故にした住民軽視」の会社であることがわかる。
「住民との約束を破ってガス検知器を取り付けてガス濃度をチェックしていなかったこと」が最大の問題であるが、「事故の発生を防ぐ」という観点から次の問題を考えると「ガス検知器の設置費用約20万円をユニマット不動産がケチったあとの処理」である。
費用面の折り合いが付かず開業までにガス検知器の設置が間に合わなかったとしても、なぜ50項目にも及ぶ施設の点検項目に「換気扇など排気システムが機能しているか」を含めなかったのだろうか。
費用面が解決せずガス検知器を設置しないで「見切り開業」(※マネジメントシステム用語では特別採用)しているのだから「未決済事項」を明確に記録して早い段階で処置しなければならなかったのだ。
想像すると、ユニマット不動産は「予算面について承認がされている費用以外に生じた費用」が上層部に上げにくい、あるいは、認められにくい体質なのだろう。
社内的に予算外の費用が発生すると「担当者の能力不足」として責任を負わされるのだろう。
そのような体質であれば、このケースのように「住民との話し合いでガス検知器設置」が決まってもその予算を社内的にどのように承認を取るかという部分が事実上困難なわけであり(※マネジメントシステムとして不備である)「住民説明は説明会担当者の口先だけの約束」になる。
このように「不信感が蔓延する状態」だから住民がシエスパの営業再開を反対しているそうだ。
コンプライアンス(=社会の要請に適応する)を最優先した会社ではまるでない。
ユニマット不動産のこの体質が変わらない限り、シエスパの営業再開はおろか、新規施設の建設は危なっかしくてやってはいけないと思う。
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