ISOの定期審査が迫っているお客さんから「定期審査の準備をしています」という連絡があった。
審査は「ふだんの仕事のプロセスや結果を垣間見に来る」というイメージが本来の姿なので「定期審査の準備をする」こと事態は、考え方からすると無駄な作業だ。
しかし事務局サイドとすれば、実際にはマネジメントレビューの記録の取りまとめ、内部監査結果のフォローや記録の取りまとめ、各会議議事録の整理、認証機関から審査対象とされた部門やプロセスの記録の確認などある程度の「定期審査の準備」が必要なようだ。
日常の中ですべてタイムリーにこなしていればこのような「準備作業」は要らないはずなのになぁ、と外野からすれば思うが、ついついためてしまっている記録はある。

事務局からの連絡によると定期審査を担当する審査員が非公式な立場で顔を出してくれたからよかった、とのこと。
定期審査では受審企業と担当審査員が顔を合わせるのは現地審査当日だ。それまではメールや電話やFAXでのやり取りのみが通常のパターンである。きっとメール等のやり取りの中で受審側事務局が緊張し、不安感を抱いているので審査員がその不安を取るために、時間に余裕のあるときにご厚意で訪問してくれたのだろう。
堅い話になればこの訪問は「審査手順の正式プロセス」ではないので認定機関的には「このプロセスの位置づけを明確せよ」ということになってしまうが、結果論としては審査側にも受審側にもよかったようだ。

定期審査に対する私の概念は、要求事項のオーソドックスな部分についてはもう十分できている企業の場合は、「審査員の質問に答えられない」、「審査員に言われるまで思いもよらなかった」、「審査員に言われて気が付いた」というような審査員の質問がたくさんあるべきだと思っている。
要は、そういった質問に対する部分は、企業としては日常業務の中であまり意識してこなかった部分であるケースが多いので、マネジメントシステム(仕事の仕組み)の見直し検討の材料になる。
別のお客さんで、ある建設会社の副社長さんは「業界の業務慣習だからといって審査員が変に気を使って(審査で)触れられないと“業界の常識”的感覚にさらに陥ってしまうので、審査の場ではある程度は突っ込んで欲しいし、多くの業界審査経験がある審査員に企業が期待するところはそういうところなんですけどね」と言っていた。
もちろん、そういった質問ばかりだと受審側は疲れちゃうし、審査員に「ちゃんと整理されていますね」など褒められたい部分もあるから「変化球質問の量」の限度は必要ではあるが、まさにそのとおりだと思う。
「すぐには答えられない質問」、「言われて、ハッとする質問」が企業にとって「審査の中での学び・気づき」であり定期審査の醍醐味なのだと思う。

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