英会話学校最大手の『NOVA』が特定商取引法に違反していた問題で経済産業省は1年を超える長期契約の受付に関して2007年6月13日に6ヶ月の業務停止を命じた。
また東京都も同日、東京都消費生活条例に基づき改善勧告を行った。
この行政指導に基づきNOVAは13日午後に記者会見を開き、猿橋望社長(創業者)が「処分を厳粛に受け止め、関係者に深くおわびします。受講生のレッスンは万全の体制を組み、問題なく提供させていただきます」と謝罪した。

NOVAのウェブサイト
http://www.nova.ne.jp/index.html
を確認すると「生徒の皆さまへ」と題したお詫び分が掲載されていた。
この文章は主に、
○創業から26年という若い会社で役職員の平均年齢が若くコンプライアンス面が未熟だった
○経済産業省からの指摘は意図的、故意的に生まれたものではない
○NOVAが26年間で果たしてきた社会的な役割の免じてご理解いただきたい
○この問題を契機に生まれ変わり、より高品質なサービスを低価格で提供したい
という内容から構成されていた。

このお詫び分を読んで「へぇ~、NOVAの現在の受講生は45万人、修了生を含めると150万人にもなるんだぁ」と言うのが正直な感想。
一般論で言えば、これだけ受講生がいれば契約に関するトラブルもあるよな、と考えてしまうが英会話教室に限らず、エステなどサービスの提供がポイント制になっており利用者が事前購入する仕組みになっている場合は昔からトラブルが多い。
トラブルの例としては、
○中途解約トラブル
(例:ポイントを事前に大量に購入すると単価が安くなるが、解約時は割高になる。契約から一定期間が過ぎるとポイントを利用したとみなされる。入学金免除を謳いながら解約時は引かれている)
○クーリングオフに対する対応が不誠実
(例:特定商取引法で契約から8日以内は無条件でクーリングオフが受けられる)
が多い。
ポイント制は、授業料などを受け取った側はできるだけ返したくないし、サービスを受ける側は受けていないサービスに対して余計なお金を払いたくない、という心理状態だから余計に解約トラブルは発生しやすい。
広告で謳っているサービスが現実に、校舎の状況(例:講師の人数、学生、社会人、主婦など受講者の割合など)や受講生の生活スタイルに合わせてどの程度履行されるかサービス提供側は説明するべきだろうけれど、極めてまじめに説明すると契約してもらえない恐怖があるから「うそは言っていない」と半ば開き直った気持ちで契約時の説明をしていることも、後々「話が違う」と受講生が感じて契約トラブルになる原因だろう。

NOVA受講生が解約する経緯としては、
○いつでも好きな時間に受講できると謳いながら、実際は予約できないケースが多い
○長期契約の場合、不必要なものまで売りつけられたことによる不満・不信
があるようだ。
NOVAの社内体質は「新規契約をどれだけ取るか」が成績に反映する方式で上司からは、新規契約、再契約(継続)およびテレビ電話、書籍などの物販を通じて「如何に売るか」をひたすら学ぶと言う。
この体質が「圧迫営業」や「解約時の不誠実な対応」につながっている傾向は原因のひとつとしてあるだろう。

それにしても猿橋社長の記者会見後、ワイドショーはニュース価値がないと見ているのかコムスンと比較してあまり騒がれていない。
NOVAは現在もCMが頻繁に流れていて大きなスポンサーだからだろうか。
コムスンの場合は、折口会長がテレビ局をお詫び行脚をしまくったから、叩かれまくって結果論として「すべて売却」という結末になってしまった。
説明責任を果たす程度の適度な謝罪会見をして目立ちすぎないのが組織継続のポイントなのだろうか。

経済産業省は、今後2年間に渡り寄せられた苦情とそれに対する対応をNOVAに報告させると言う。
NOVAのお詫び文にある「生まれ変わろうとしているNOVA」の社内体質、システムはどのように改善されるのかな、と思うのである。

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