マツダが昨年度の決算で史上最高益を達成したと言う。
11年前の経営危機からフォード傘下入りし、じわりじわりと業績を回復していたのだ。
世間ではカルロス・ゴーン氏率いる日産自動車のV字回復が注目を浴びているが、その回復の「思想」には違いがあると経済ジャーナリストの財部誠一氏は言う。

マツダはフォードから送り込まれた経営陣が、マツダの文化を尊重して改革に取り組んだのに対し、日産自動車にルノーから送り込まれたゴーン氏はゴーン流を持ち込んだと言う。
たとえば、マツダでは新年の初荷式、創業家への墓参りなどに経営陣が参加する日本的な文化があるが、フォードから送り込まれた経営陣はその習慣を踏襲したと言う。
また、主要な会議は英語で行われるようになった日産に対し、マツダはフォード傘下に入った後も日本語で実施したそうだ。
「RE(ロータリーエンジン)」に代表されるマツダの固有技術をはじめとしたアイデンティティを外国人経営層が大切に守ったのがマツダ、ゴーン流に合わせ日産のアイデンティティが少しずつ薄まってきているのが日産、と言うことらしい。

財部氏は『勝ち残る会社の条件』として「グローバルセンス」という言葉を使っている。
つまり、世界の潮流に目を向けて経済(会社経営)を見て行く事が重要だと言うことで、要は、技術力は一流でも財務、ブランド・宣伝などのマーケティング、説明責任、リスク管理などのマネジメントが二流である日本企業が世界に伍していくために必要なのだと言う。
マツダの外国人経営層は、この点を改革したのだ。

当時、フォードからマツダに送り込まれた経営陣はその後、フォードで要職に就いているという。マツダでもともとの企業文化を認めて昇華させた経験が経営者としての素養を高める結果につながっているのだろう。
なんだか、大リーガーが日本のプロ野球で経験を積み、大リーグに戻って選手やコーチ、監督として活躍する姿に似ている。
グローバルセンスは、豊富な異文化業務経験によって磨かれるのかもしれない。

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