今朝の日経新聞3面に広告が掲載されていますが、
『「不祥事」を止めるISO思考』 有賀正彦著 光文社 1,000円
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334934110/bloglogcom-22
が5月22日に発売になりました。

日経新聞3面070525

タイトルに「ISO」と入っていますが、テーマはだれもが知っている組織の不祥事を題材にトラブルや問題の発生原因と再発防止策を理詰めで考えていく内容になっています。

本書の目次を紹介させていただきますと
〈目 次〉
はじめに  なぜ企業の不祥事は続くのか?

第1章 不二家と関西テレビの「自爆」
【事例1】不二家  ペコちゃんが泣いている
【事例2】関西テレビ  『あるある』の「納豆ダイエット」発覚の経緯

第2章 「再発防止」の標準化思考
再発防止とは何か?/最重要の考え方は「顧客重視」/従業員全体の
改善意識が育つ「5S」/後工程はお客さま/プライオリティ志向/人気の
もつ鍋屋さんを体験して考えたこと ほか

第3章 企業不祥事を分析する
【事例3】ライオン  「環境に優しい」はなぜ環境NGOから批判されたのか?
【事例4】アイフル  全店で営業停止になった消費者金融
【事例5】スカイマーク  度重なる整備不良
【事例6】日本郵政公社  なぜ年賀状は遅配したのか?
【事例7】気象業務支援センター  試験結果の通知が早く到着
【事例8】ビューローベリタスジャパン  信頼を失った「住宅性能評価制度」
【事例9】昭和シェル石油  ハイオクとレギュラーガソリンの販売ミス

第4章 お役所は理不尽
【事例10】経済産業省  大混乱が起きた「PSEマーク」
【事例11】社会保険庁  勝手に年金の保険料を免除
【事例12】環境省  エアコン制限で、室内は36℃の猛暑状態
【事例13】警視庁  なぜ証拠品は紛失してしまったのか?
【事例14】国立公園の管理  落下したブナの枝で重傷
【事例15】ふじみ野の市立プール プールで水死した小学生の悲劇

第5章 ISOをビジネスに活かす
みんなから嫌われるISO審査員/ISOとは何か/ISO9001とは何か
/ISO14001とは何か/審査登録制度とは何か/ISO審査登録制度は
国際社会の陰謀なのか?
【事例16】千代田区とイタリア文化会館  紛糾したイタリア文化会館の「壁の色」
【事例17】ISOで後継者を育てる  2代目はまともに育たない?
【事例18】苦情分析から学んだ工務店  悪いクレーム処理、いいクレーム処理
【事例19】ISO14001を活用してミス・ロスを減らす  電機大手5社の統一基準
【事例20】談話室滝沢  「談話室滝沢」(喫茶店)はなぜ閉鎖したのか?

第6章 「機能不全のISO」をISO的に分析する
業界内部からも「ISOは終わった」と……/ISOでは組織の不祥事は検出
できない/現場を知らない事務局が仕組みを作成している/企業に論理
能力、説明能力がない/自説を押し付けるコンサルタント/業務内容は
知らなくても、なんとかなる/会社を“転がす”コンサルタント/無能コンサル
タント発生のメカニズム ほか

第7章 標準化思考獲得への道
ISOを活かさなければ社会負担が増える/「観察力」はニュースで鍛えられる
/飲食店での「観察眼」事例/「先を読む力」でムダな動作が減る/リスクを
予測してみよう/ヤンキー兄ちゃんのダメなところ/論理で考える職場で人は
育つ ほか

おわりに  場当たり主義の人間たちが増えている

という感じです。
目次を見ていただければ分かるように、ISOの取得ノウハウ本ではありません。
また、ISO用語は257ページ中4ページほどしか出てきません。
「論理的思考」、「システムアプローチ」、「発想法」、「気づき」などに興味がある方にとっては必見の書になると思っています。
(すみません、ちょっと手前味噌ですね(汗))

今回の本は私のとって初版発行部数が多い(1万5千部)ので、書店にどんな風に陳列されているのか見てみたくて23日、24日は書店めぐりをしてみました。

ご存知の方も多いと思いますが本の販売・流通システムは、
1)出版社(本の企画・製造屋)が印刷された本を取次(本の問屋さん)に出荷する
2)取次が全国に配送する
3)書店(本の小売店さん)に入荷する
となっていて、配本される本の種類・部数などは、取次側が決定するのが基本となっています。
配本された本は書店で分類分けされて売り場に陳列されます。本は委託販売制を取っているので、一定期間を過ぎても売れ残った本は取次を経由して出版社に返本されるので、書店にとっては『粗利は薄いがリスクは少ない』性質を持っています。
ちなみに書店の書籍原価は80%と高いので、万引きされたら眼も当てられません。

さて書店めぐり(23~24日)ですが、以下の本屋さんを訪問してみました。
1)丸善(日本橋店)
2)あおい書店(六本木店)
3)青山ブックセンター(六本木店)
4)ブックストア談(浜松町店)(文教堂)
5)旭屋書店(札幌店)
6)紀伊國屋書店(札幌本店)
7)札幌弘栄堂(アピア店)

前述させていただいたように書籍は取次(本の問屋さん)からパターン配本されるシステムなので、本の発行部数や書店の規模によって配本部数は決まってしまいます。
次に配本された本は、書店でどの売り場に配置するか決定されます。
この作業は書店ごとに実施しています。

『「不祥事」を止めるISO思考』は、
「ビジネス・経済」→「経営管理」→「経営一般」
という分類になるのですが、書店毎の売り場規模と書店が決めた「注目度」、出版社の営業力で売り場への陳列方法が決まってきます。

著者的には「ISO取得本」や「ISOの実用書」として書いていないので、「ISO」のコーナーではなく、「経営」、「企業倫理」、「CSR」、「内部統制」、「自己啓発」などのコーナーに置いて欲しいし、そこが本書の読者層ともマッチすると思っていました。

しかし、書店の陳列状況を見ると二つに分かれていました。
つまり「企業倫理・CSR」か「ISO」かです。
やはりタイトルに「不祥事」、「ISO」とついているからだと思います。
「内容をちょっと見てくれればISOコーナーには並ばないはずなんだけどなぁ」
と思ってしまいました。

CSR紀伊國屋


ISOの棚青山ブックセンター

ちなみに、本屋さんめぐりをした上記書店では「紀伊國屋書店札幌本店」さんが
著者・出版社の意図にマッチするベストポジションに陳列していただきました。
しかも、「新刊話題書」としてかなり目立つところに平積みしてもらっています。

紀伊國屋札幌本店新刊話題書

きっと本を分類する担当者の方が、本の中身をちゃんと把握してくれたのでしょう。
さすがですし、ホント、感謝です!!

丸善、旭屋さんなどは5月1日に施行された「企業の三角合併」を前面に押し出した「新刊話題書」のコーナー作りをしているので、私の本はビジネス新刊本にも係わらず、隅っこに追いやられていてちょっと悲しかったです。

ただ現在の本の販売・流通システムによって地方の小規模書店にはベストセラー
にでもならない限り配本されません。
近所に大型・中型書店がない友人・知人・親戚から「本が見当たらないよ~」
という連絡をいただくとなんだか申し訳ないです。

それにしても私の本に限らず、本が書店でどんな分類をされているのか観察してみると面白い。

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