女性客に対する強盗強姦容疑などで東証マザーズ上場企業の「ペッパーランチ」店長と店員が逮捕された事件が報道で明らかになってから約1週間が経った。
一瀬社長の謝罪会見以降の主なニュースの動きを見ていると、

○5/17(記者会見同日)(毎日新聞)
ファミリーマートがペッパーランチとの提携弁当を発売停止。
《ファミリーマートの広報IR部によると事件の重大性を考慮し、5月に新商品の弁当販売中止(今後予定なし)を決定》
と報道。

5/20(日刊ゲンダイ)
入社9ヶ月で店長になった強姦魔
《店長は府立工業高校を卒業後、2006年7月に「ペッパーランチ」に入社。
一瀬社長は「明るく清潔感があり信頼し切っていた。大阪人らしくガッツもあった」というが、よくもまあ店長にしたものだ。逮捕された店長は「夢は経営者。社員を辞めて『ペッパーランチ』と委託経営を結びたい」と3月末に退社し4月から心斎橋店を任されていた。
「はじめから客のレイプが目的で店長に手を挙げたのではないか」との見方もある。女性客の一人客はおちおちステーキを食べられない》
と報道。

5/21(日刊ゲンダイ)
ペッパーランチ社長の成り上がり人生
《一瀬社長は「現場上がりの叩き上げで親分肌。06年9月にマザーズに上場した時は泣きじゃくったそうです。典型的なワンマン社長で、求人募集のポスターには社長の顔写真入りで“私が面接します”と書いてある。苦労人だけに人を見る目にかけては自信も自負もあったのでしょう。今回事件を起こした店長も一瀬氏が面接して採用した人物。ワンマン体制が仇となったのかもしれません。謝罪会見の時も黄色い派手なネクタイを締めていましたが、社内で注意する人はいなかったのでしょうか」(経済誌記者)》
と報道。

○5/21(毎日新聞)
役員の報酬を減俸
《事件の責任を取って、5人の取締役全員を報酬削減の処分とすることを決めたことを発表。一瀬邦夫社長は月額報酬の3割を5月から8カ月間、その他の取締役は2割を同月から3カ月間削減》
と報道。

上記のように、事件が明るみになり記者発表のあった5月17日は、殆どのメディアが「ニュース」として取り上げていたがその後のペッパーランチの動きは「役員報酬の減俸」ぐらいで大きな動きはない。
夕刊紙の日刊ゲンダイが社長や事件を起した店長の経歴から読者が共感を得そうな感覚にうったえるような記事を載せているだけだ。
「メディアの役割は事実を正確に世間に伝えること」であれば、ペッパーランチに新たな動きがない以上記事にしようがないのかもしれない。
ただ、事件が単なる「ワンマン社長の社内体制と非道な店長個人が招いた事件」というイメージだけで私たちの記憶から消えてしまうとすれば、事件から学ぶものがあまりにもなさ過ぎる。

事件報道があった後に事件とは関係のないペッパーランチの路面店舗を訪問してみた。
訪問した時間は夕方であったが、このお店のスタッフの体制は3人(男性一人、女性2人)だった。
店内を見渡すと、壁にコルクボードがあり事件に関する「お詫び文」が掲示されており、監視カメラなど監視装置はなさそうであった。
ペッパーランチはワンマン経営だったからこそ、急激に成長し、ここまで来れたのだろう。
しかし、ワンマン経営のリスクはやはり「内部統制」の仕組みが不十分になってしまうこと。
「役員報酬の減俸」も大事な対応のひとつではあるけど、「再発防止」、「改善」を考えた場合、責任を取ることでは全く何も事件前と社内体制は変わらない。
一瀬社長に苦言を含めて適確な進言ができるブレインはいないのかな、と思った。

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35