拙著の宣伝になってしまうが、以前から案内しているようにこの5月22日に、
『「不祥事」を止めるISO思考 How to Use ISO Efficiently 』光文社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334934110/bloglogcom-22
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=R0259993
というタイトルの書籍を発刊させていただくことになった。

この本が商業ベースに乗るための書籍として企画され、書き下ろしした経緯はまた別の機会にお話させていただくこととするが、この本で言いたかったのは「不祥事の原因を突き詰めていくと”過失的不祥事”はISO規格で要求されている事項の意図を理解し、拡大解釈して活用すれば低減することができる」ということである。

最近の話題で言えば「エキスポランド」の事故がある。
この事故を契機に各自治体は、所管する遊戯施設の一斉点検などを通達しているがこれはISO規格で言えば『予防処置』。
「そんなのISO規格を知らなくたって誰だって常識的に予防処置的行動を取るでしょう」と突込みが入りそうだが、エキスポランドの事故のように大きなニュースであれば遊戯施設の監督官公庁、所有者、経営者、施設管理者、利用者がこの事故を教訓に多かれ少なかれ、なんらかの予防処置は自然と実施するだろう。
しかし、「一見関係がなさそうな事故」、「大きく取り上げられなかったニュース」であったならよっぽどの人でない限り「予防処置」という発想は思い浮かばないのではないだろうか。

「ISO思考」とは「ISO規格で要求されている事項の意図を意識的に思考して仕事の見落としを防ぎや発想を広げるすること」である。る安全管理で言えば「指差し確認」のようにわざと意識的に行動することや世間の出来事にアンテナを張り巡らせることによって「予防処置」という発想が浮かぶのだと思う。

エキスポランドの事故で言えば「建築基準法は守っていた」とか「現行の建築基準法の中ではJISの検査標準は努力基準であった」とか「全国遊園施設協会の安全マニュアルには探傷試験の実施が明記されていた」など『企業が考慮する要求事項』には法令以外にもいろいろな「規範」があることがわかる。
最近流行りの言葉で言えば「コンプライアンス」になるのであるが、ISO規格でも「組織が同意したその他の要求事項」という考えがある。
法令以外の「決まりごと」をどこまで考慮し順守するのかは「組織が確固たる根拠を持って決める」ことを出発点とすればいいのであるが、はなから「順守すべきものは法令のみでいい」と考えてしまえば、その思考は正しいとはいえない。

元検事で法科大学院教授の郷原 信郎先生がこの1月に発刊した
『「法令遵守」が日本を滅ぼす』 新潮社
ではコンプライアンスとは「組織が社会的要請に適応すること」と定義している。
つまり組織自ら「社会的要請に適応する眼を持つ」ことが重要性だといっているのだと思う。
まさにこの考えは「ISO思考」を活用して組織は鍛えることができる。

「ISO」という言葉を「形式主義の権化」として毛嫌いする人が多いので「ISO思考」という表現が誤解されてしまうのは怖いが、「不祥事を止める」キーワードになるものと認識されるといいなぁ、と思うのである。

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