5月22日に『「不祥事」を止めるISO思考:光文社』という本を出版することを友人に話したら「大阪のジェットコースターの事故のことも書いてよ」といわれた。
しかし、残念ながらもう締め切りが過ぎてしまった。
もちろん、今度出版する本の目的は、私たち一人ひとりが責任を持つ仕事の中で失敗を起さないために、日ごろからどんな思考をしている必要があるかを考えるものなので、これからも報道情報にアンテナを張って「事故が起きた背景」を確認していきたいと思う。

昨日のブログでは、
《山田社長に安全知識が仮に十分にあれば建部施設営業部長から新アトラクション建設のために検査を先延ばしにする必要性がある報告を受けたときに「安全」を優先したはずだと思う。》と書いた。

しかし5/9AM03:04配信のインターネットの毎日新聞ニュースによれば、
○山田三郎社長はJISで年1回の探傷検査が義務付けられていることを知っていた
○JISに反して車軸の亀裂を調べる「探傷検査」を行わなかったのは建部淳施設営業部長の判断
○建部部長はエキスポランドの安全検査の最終責任者で国家資格の昇降機検査資格を有している
○社内24人の昇降機検査資格者はJISの規定を熟知していなかった
○毎年1~2月の解体検査では探傷試験を実施していた
○検査のやり方は先輩から受け継いだが間違った認識だった
○検査延期は社長決裁が必要でなかったので、事故前に問題が表面化することはなかった
という事実だったそうだ。

この事実から問題点・疑問点を考えると、
①検査を先延ばしするという「最終責任者である施設営業部長の決定」に関する情報は経営層に報告されていなかった
⇒会議など内部コミュニケーションの方法に問題はなかったのか
②昇降機検査資格者は国家資格者であるにもかかわらず、なぜJISの規定を熟知していなかったのか?
⇒資格講習会の管轄は国土交通省であり、経済産業省が管轄するJISの検査標準については講習メニューになかったのではないか?
③毎年実施していた「探傷試験」はどのような根拠で実施していたのか検査員全員が知らなかったのではないか?
⇒エキスポランドが該当する法令について明確にし、関係者に教育する仕組みに問題があったのではないか?JISの定めに基づく重要性を認識していれば、安全管理を後回しにはしなかったのではないだろうか。
④安全管理の最終責任者として施設営業部長に必要な力量がなかった
⇒エキスポランドの施設営業部長や検査員にどのような力量があるものを選定するべきか社内にルールがなかったのではないか?そうでなければ、施設営業部長は、国家資格者ではあるがJISの検査標準など関連する知識がないにもかかわらず最終責任者としての権限をあたえることは問題である。

というようなことが想像できる。
安全意識の欠如、安全より経営面を重視した会社の自爆であることに変わりはないが、同社のマネジメントシステムにも問題があったことが十分想像できる問題なのであると思う。

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