当麻農協で発生したセクハラ事件が話題になっている。
この事件は北海道の月刊経済誌「北海道経済」http://www.h-keizai.com/ が最初に取り上げて、最近では全国ネットのテレビ朝日の朝のワイドショーの「スーパーモーニング」が断続的に何度か取り上げている。

事件の概要はこうだ。
《北海道上川管内当麻町の当麻農協で、セクハラ、パワハラが繰り返されていた。元職員、現職員など複数の関係者の“証言”で明らかになったもの。あろうことか、農協トップの○○前組合長、組合長の右腕といわれる△△米穀課長が中心になって行われてきた。セクハラは、強制ワイセツ罪に問われかねない悪質なものだ。
現在は職員と元職員の女性二人が損害賠償請求を求める裁判を起こしている。
それに対して、同農協の川上敏明組合長は十六日、同農協で記者会見し、「セクハラ行為はあったように思われる」と認め、謝罪した。女性二人とは弁護士を介し、和解を求めていく考えを示した。
同農協は、三月下旬に理事らで構成する特別調査委を設置し、職員へのアンケートや聞き取りで詳細について調査中と説明。提訴された内容の実態について川上組合長は「調査委が把握しており、(内容は)見ていない」とするにとどまった。
同農協は二○○六年にセクハラ相談窓口を設置したが、
上田哲雄常務は「認識が甘く、機能していなかった」と述べた。》

雑誌の記事やワイドショーによるとセクハラはこの訴えを起こした女性以外にも、女性職員全般に対して行われていたらしい。
しかも、宴席など通常勤務時間外だけでなく、通常の執務中もお尻をさわる、部署の異動があると「部署の儀式」と称して女性職員を並べてキスを強要していたと言う。
http://www.youtube.com/watch?v=hwdc2NGG1B8

あきれたのが、事件が雑誌に取り上げられ、女性職員らから裁判を起こされた後の農協の対応。
まず一つ目が『訴えを起こされた女性二人以外にセクハラはなかったんですか?』との取材陣の問いに川上組合長は『特別調査委員会の報告では二人以外にセクハラはなかった。調査委員会の調査を信じている』と回答していた。
しかし、この特別調査委員会の調査は、
①職員に対するアンケートで使用されたアンケートは記名式
②元職員に対してはアンケートが実施されていない
ことからこの特別調査委員会の実態調査の精度が低いことがわかる。
記名式であれば、職場の今後の人間関係を考えれば事実は書きにくいし、元職員に対して調査がされなければセクハラが原因で退職した女性の状況は把握できるはずがない。

あきれた二つ目は、農協が出した次の3つの再発防止策。(概要)
1)弁護士などとのヘルプラインの設置
2)職員に対する職員としての規範、道徳意識を高める教育を行う
3)コンプライアンス委員会の設置

全くあさっての再発防止とは言わないけれど、あの~、再発防止って言うのは問題の原因に対する処置でなければ全く意味をなさないんですけど。。。と言いたくなってしまう内容。
前組合長や米穀課長の暴走はなぜ起きたのか?・・・組合長は長期政権(約5年間)をなぜ続けることが出来たのか?米穀課長をいさめるものはなぜいなかったのか?セクハラを受けても情報が上がりづらかった背景は何なのか?(例:米穀課長が人事権を持っていたため)などにメスを入れなければ再発防止にはならない。
セクハラの再発防止に真剣に取り組むつもりがあるのか、お茶を濁して終わらせるつもりなのかはわからないけど、「再発防止には何か必要なのか」がちゃんと議論できている組織は案外少ないんじゃないのかな、と思うのである。

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