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今後は企業の経営または購買上のリスク管理と言う側面からISO22000（食品安全マネジメントシステム）、ISO27001（情報セキュリティマネジメントシステム）と言ったようなマネジメントシステム規格が開発され、多くの企業がそれらの認証を購買先企業に要求し、取り組まざるを得ない状況になるだろう。
しかし、よく言われる話ではあるが企業のマネジメントシステムはひとつであり、それぞれのマネジメントシステム規格の要求事項は部分要求である。
例えば、通信販売事業者のように個人情報を大量に取り扱う企業に対してはプライバシーマーク認証（Ｐマーク制度）や情報セキュリティマネジメントシステムであるISO27001の認証取得が要求されるが、誤解を恐れずに言えば、既存の規格の適用を拡大解釈してISO9001で言えば文書管理や顧客所有物の管理、ISO14001でいえば法規制およびその他の要求事項に関連する事項としてどのような管理が必要かを企業として意識し管理ルールを明確にしておけば、仰々しく個別規格毎の認証は実質的には必要ない。
逆に「うちは情報管理が大事な業態だから」と言ってISO27001やPマークを取得してれば大丈夫と言うものでもない。
あくまでも企業は顧客満足度を高めることによって業績を向上させて社会の一翼を担う存在だとするならば、情報マネジメントシステム規格の要求事項は企業活動で管理が必要なひとつの要素に過ぎない。
つまり、各マネジメントシステム規格の要求事項それぞれの意図は企業のマネジメントにとって重要ではあるが、実質的には同等の概念で自らの組織に見合った必要な管理が認識され確実にそれが管理され改善していく体制になっていれば問題はない。
しかし、企業規模や取引状況によっては多くのマネジメントシステムの認証が必要とされてくる企業は増えていくだろう。
そのときに今までのマネジメントシステム導入の典型的な失敗と同じように「書類主義」から脱却できないと、あらたに開発され導入効果を期待して取り組んだはずのマネジメントシステム規格に振り回されて会社の実質的な運営に影響を及ぼすことになる。
部分要求を外部に「認証」という形で証明せざるを得ない企業があるのは商取引上仕方がないが、多くの部分要求をそのまま各個別のマネジメントシステム規格単位で「戦略なしにマネジメントシステム設計」していくと、今まで以上に会社が混乱し、下手をすると企業運営に大きな負の影響をもたらすことにもなりかねない。
認証が必要か否かは別にして、実質的に複数のマネジメントシステムの要求要素を企業は要求されていくので、企業は日常業務の中で消化しきれるようなルール作りをしていかなければならないし、指導するコンサルタントや認証審査を担当する審査員もそういったことを考慮した業務をしていかなければならない。
格式会社上場企業はその上に日本版SOX法の内部統制システムも要求されてくる。
現状を見ていると、情報システム系コンサルティング会社や会計監査法人系コンサルティング会社が「儲け時」とばかりに営業を展開し、重厚なシステムを導入している感がある。
もともとあった企業の管理ルール、マネジメントシステム規格の出現により出来上がったISO9001や14001などのシステム、内部統制用のシステムと言うように、2重にも3重にもオーバーラップする無駄の多いシステムが完成している企業も多いように感じる。
複数のマネジメントシステム導入をする場合、企業ではISOは品質保証部門、内部統制は経理部門と言うように横のつながりを無視して構築していくとうまくいかないと思うし、外部の専門家を招聘するにしても法律の専門家、会計の専門家、マネジメントシステムの専門家が相互に効果的に関係して指導していかなければ期待する成果が出ないばかりかもっと複雑困難な問題を企業は抱え込むことになると思うのである。
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日時： ２００７年４月２１日（土） ９：３０～１２：００
場所： 札幌市産業振興センター セミナールームＤ
参加費：一般３０００円、商材購入者２０００円
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