なぜ不二家は自ら決めた賞味期限を守れなかったのだろう | 自分を変える”気づき”の話
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自分を変える”気づき”の話

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    なぜ不二家は自ら決めた賞味期限を守れなかったのだろう


    不二家の衛生上の問題がまだまだ報道されている。
    それは、不二家の製造実態について調査が進めば進むほど、世間一般の目線からは呆れた事実が出てきているからだろう。

    食品は人の身体の中に摂り込まれてしまうものだから、衛生上の問題は、まずは問題のあった製品に対する実質上の影響の評価と処置が必要である。
    ただ、不二家の肩を持つわけではないが、よっぽど身体の抵抗力がないなど不健康な人でなければ、消費期限を1日過ぎた原料を使用していた製品や、規定より1日賞味期限を延長した製品を食べても身体に対する実害は殆どないと思う。

    ニュースによれば問題発覚後、不二家のお客様サービス室に11月に食べた製品で「おかしな味がした」、「食べた後に下痢や腹痛になった」という問合せが数件あったというが、症状があった方には申し訳ないが、それが賞味期限を過ぎた不二家製品自体によるものか、ユーザー側での製品保管状態によるものか、食べた人の体質や健康状態によるものなのかは食品衛生学的にはおそらく証明できないだろう。
    消費者に影響があったとすれば、殆どは問題発覚後の精神的苦痛という被害だと思う。

    ただ、今回の問題で本当に考えなければならないのは、「賞味期限切れ製品」自体の消費者に対する影響よりも「なぜ不二家は自分達で決めたルールを守れなかったのか」ということだ。
    「消費期限切れ原料の使用」や「賞味期限切れ製品の出荷」という事実について何が問題であったのかをきちんと整理して考えないと「不二家はとんでもない、許せない」という感情論が先行してしまうので、問題をちょっと振り返っておきたい。

    それでは、「賞味期限はどのように決まるのか」である。
    決め方は、
    1)法律による定め
    2)社内基準による定め
    である。

    1)について根拠となる法律は「食品衛生法」(厚生労働省)とJAS法(農林水産省)があり、これらの概要は次のようになる。

    『食品衛生法上』
    品質保持期限の設定は当該食品等に関する知識を有する者が、微生物試験や理化学試験及び官能検査の結果等に基づき、科学的に行う。
    『JAS法上の規定』
    賞味期限は、その食品の品質保持に関する情報を把握する立場にあり、当該製品に責任を負う製造業者等が、科学的・合理的根拠をもって適正に設定すべき。

    したがって法律では「この製品は賞味期限を製造日より何日にしなさい」とは決まっておらず、事業者の合理的な判断で2)の社内基準を決めていいのである。
    つまり、今回の不二家は『事業者が合理的であると判断して自ら決めた社内基準の賞味期限を遵守しなかった」ということになる。

    つぎに「なぜ自ら定めた社内基準を守らなかったのか」ということを考えてみる。
    守らなかった理由を推測すると、
    ①賞味期限は科学的な根拠や熟練製造担当者の経験上、製品の統計的なバラツキを考慮して事業者自らで社内で決めているものであるから、もともと十分な余裕をとって設定している。したがって1日程度の期限切れは実質的に問題のない範囲と判断した。
    ②日常業務が忙しく、社内基準を変更(文書の改訂)する作業が面倒であると考えた。
    ③工場は環境マネジメントシステムを採用しており、廃棄物を増やしたくないし、廃棄物発生理由を説明するのが面倒だし、それらの責任問題になるのも厄介だと考えた。
    ④今までの経験で実質的な衛生上の影響は発生しないのでルールを守る重要性の認識が工場全体で欠けていた。
    ⑤問題が世間に発覚した時の影響を従業員が想像できず、業務の重要性を認識、理解していなかった。
    ・・・などではないだろうか。

    不二家の業務の仕組み面の改善点を考えると、
    ・社内基準を守ることの重要性に対する教育システム
    ・問題が起きた場合の影響度と自らの業務に対する使命感の教育システム
    ・文書管理システム
    ・生産管理システム(適正な原材料管理、社内基準を逸脱した賞味期限ラベルが印字できない仕組み)
    などに検討、改善の余地があるのではないかと思う。

    ニュースを通じて不二家の衛生問題の事実を知る我々は、「なぜ自ら決めたルールを守ることができなかったのか」を考えることが重要なのだと思う。
    それがこの問題を考え、日常生活に活かす考え方の本質である。

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