TBS系で日曜日に放映されている「噂の東京マガジン」を見ていたら、静岡県浜松市が餃子消費量日本一ではないか、というレポートがされていた。
餃子といえば栃木県宇都宮市が誰でも頭に浮かぶ。
事実、宇都宮市は国が発表している家計調査年報では、餃子年間支出金額4710円で堂々の1位である。
ただ浜松市の独自の調査では餃子の年間支出金額は19,403円にもなるという。
番組の取材では、「お誕生日、クリスマス、ホームパーティ、贈答にも餃子」という家庭がたくさん紹介されていたし、町のあちらこちらに餃子の看板があった。

なぜ、この国の家計調査年報のランキングに浜松市が登場しないかというと、データ収集対象は県庁所在地と政令指定都市のみだという。
「ありゃりゃ、結構この国のデータって大雑把なのね?」とちょっとびっくりした。
2006年9月1日現在のデータで浜松市は人口806,850人で県庁所在地で政令指定都市でもある静岡市の人口(712,075人)よりもはるかに多い。
ちなみに浜松市のように県庁所在地より人口の多い市は福島県いわき市(352,224人)、郡山市(339,045人):県庁所在地の福島市は290,045人、群馬県高崎市(319,060人):県庁所在地の前橋市は318,397人、三重県四日市市(304,728人):県庁所在地の津市は288,969人、山口県下関市(288,612人):県庁所在地の山口市は192,039人と5市ある。
浜松市は今年の4月より政令指定都市になるのでこの家計調査年報のデータ対象となる。
来年のランキングが楽しみである。

では、なぜ浜松市で餃子の人気が高いかというと番組ではその理由を、
1)古くから餃子の材料となる養豚が盛ん(飼料のサツマイモの産地でもあるらしい)
2)餃子の材料となるキャベツの大産地である愛知県が近い
3)ものづくりの町(自動車、オートバイ、楽器、繊維など)の伝統より餃子加工製造機メーカーが誕生した(現在全国シェアの6割)
と紹介していた。

浜松市の餃子の特徴は、
・具のキャベツの割合が多い
・浜松市内の餃子各店がオリジナル餃子で味を競っている
・家庭でもみかんを具に入れるなど餃子に工夫が凝らされている
という感じだった。
「餃子はこうである」という伝統にこだわらない所が、ホンダ、スズキ、ヤマハのお膝元であるものづくりの町浜松らしいな、と思った。

浜松餃子として人気のあるお店の店主のことばが印象に残った。
このお店は、あっさりと餃子が食べられるように茹でたもやしが餃子に添えられていたり、餃子を蒸す時に水ではなく豚の茹で汁を使っていたり、餃子の包む部分を食べ飽きがこないように工夫していた。
うる覚えなので、ことはば正確な表現ではないが確か「日本での餃子の歴史はたかだか60年。”伝統の味を守っています”というお店は先達の成功例にしがみついているだけで努力が足りない。私は一生、お客様に喜ばれる餃子を追究して研究していきたい。餃子は人生そのものですね」と言っていた。
う~ん、浜松市は「うなぎの町」としても有名で、うなぎは「創業以来、たれはつけ足しして伝統を守っています。火事なったらたれをまっさきに持って逃げます」というお店も多いと聞くから、それと比較すると面白い。

人間、技術がある程度確立してくると、顧客も特に大きな文句や要望を言わないから現状に固執して、チャレンジする努力を惜しんでしまう。
しかし、この貪欲に「餃子はまだまだ進化するもの」とチャレンジ精神で努力を惜しまない姿勢に「ものづくりの本質」である考え方だな、と思う。
なんだかめちゃくちゃ、浜松市に行って餃子が食べてみたくなった。

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