ひさびさに酔ってしまった。
お酒が原因ではない。
乗り物酔いである。
酔ってしまった乗り物は電車(正確には気道車)。
滅多に電車で酔うことはないのでびっくりした。
しかも、通常は電車で酔っても症状はめまい程度なのに、今回はそれを通り越して、生あくび→冷や汗→生唾→吐き気(嘔吐一歩手前)までいってしまった。
運行ダイヤが2時間に1本程度の特急列車だから降りるわけにはいかないし、車内は満員で通路、デッキともに人が溢れているから洗面所やトイレに行くこともままならない。
しかも隣の席のおじさんは座席に半身に座って寝ていてこちらの座席にも身体がせり出してきているから、私は進行方向と垂直に座れない不安定な格好だ。
仕方がないから座席で深呼吸して、読んでいた本もちろん閉じて目をつぶってじっとする。
寝てしまえば楽になると思ったのだ。
しかし厄介なことに目を閉じると目の前は真っ暗なのにめまいで頭がぐらんぐらんする。
冷や汗をかきながら持っていた本を握り締めていたら、(目を合わせる事になりそうだったので、前を見たままの姿勢でいたので気配を感じただけだけど)通路に立っていた人が私の顔をちょっと覗き込んできた感じがした。
きっと真っ青な顔をしていたのかもしれない。
腕時計を見る。
まだ、下車駅までゆうに1時間以上ある。
何か考え事をしていればごまかせるだろうと思い、ここまでの経緯を振り返る。
今日は出かける準備でバタバタしてお昼ご飯を食べ損ねた。
夕方の列車だからデパ地下か駅で何か美味しいお弁当を買い込もうと思っていた。
しかし、みどりの窓口に行くと普通車、グリーン車とも満席。
チェックすると最終列車も満席だから自由席に乗車するしかない。
お弁当を探す時間を考えて自宅を早く出たからきっと今からホームに並べば座席はなんとか確保できるだろうと思った。
座席を確保してからお弁当を買いに行けばいいと。
ホームに上がるとすでに20人ぐらいが並んでいる。
自由席は1車両60席程度はあるから2箇所の入口から並んでいる乗客が一斉に乗り込んでも、20人×2箇所=約40人でほぼ座席確保は大丈夫だろうと思った。
しかし、車内清掃が終わり乗客が車内になだれ込み始めると私の並んでいた列は半分も乗り込まないうちに反対側の乗客はすべて乗り込み終わっている。
どうやら、こちらの列は車内に乗り込んだら奥の方に進まずに入口付近でモタモタしている人が多かったらしい。
これはヤバイ。
座席が確保できないとお弁当を買いに行くどころか下車駅までの約4時間弱を立ったままで過ごす羽目になる。
私の前に並んでいた人はこの状況より車内に入るのを諦めてデッキの場所取りに戦略を変えたようだ。
私は「車内に入ってしまえば絶対に空席はあるはず」と踏んだ。
休日の日はおばちゃん乗客が多いから荷物で家族や友達の分の座席を多めに確保して余った座席を放出するはずだ、と思ったのだ。
予想は的中して、座席の荷物を撤去したおばちゃんがいてすかさず座席をゲット。
座れなかった人がたくさんいたのでラッキーだった。
しかし、すでに通路まで乗客は溢れていてお弁当を買いに行く状況ではなくなっていた。
列車が発車して、しばらく読みかけの本を読んでいたが眠たくなってぐっすり寝てしまう。
2時間近く寝て、また本を読み出す。
するとめまい→冷や汗になった。
これは乗り物酔いの典型的症状だ。いかんいかん、と思っていると生唾が出てきて、すっぱいものが胃からこみ上げてくる。
乗り物酔いに悪いことを排除しようと思っった。
・空腹
・食べすぎ
・携帯を見る、打つ
・本を読む
・身体が不安定な状態
・近くを注視しない
などは乗り物酔いのもとだ。
すでに本は閉じたし、携帯は圏外、遠くの景色を見たくても外は真っ暗だからとりあえず、姿勢を正して、空腹を解消しようと思った。
途中駅で少し乗客が降りたので、ようやく最初で最後の車内販売(車内が混雑していてワゴンが自由席まで来なかった)がやってきた。
ワゴンを覗き、固形物は戻してしまいそうだったので、ウーロン茶を購入。
身体は水分を欲していたようで一気にペットボトルをごくり。
しかし、まだ身体の状況は変わらない。
他に酔いの原因を考えてみる。
今日乗っている列車は「振り子式車両」であることを思い出した。
振り子式車両とは、線路の曲線通過時に車体を傾斜させることにより、通過速度を限りなく減速せずに走行できる車両だ。
私は振り子式車両とは相性が悪く必ずといっていいほど酔う。
鉄道車両に詳しい人によれば振り子式車両は以前より改良されて「制御つき自然振り子式」となり乗り心地はかなり良いらしいのであるが、私はどうもダメだ。
「マジきつ~」と思っていたら下車駅まであと5分のアナウンスが流れた。
待ち遠しかったアナウンスであるが、この5分間は本当に長かった。
しかし、冷たい夜風を浴びながらホテルについて、ビジネスホテルなのにおしぼりをフロントでもらって顔を拭いていたら気分がもとに戻った。
さっきまでのあの苦しかった状況はなに??って言う感じ。
女性じゃないからわからないけど、出産と乗り物酔いの苦しみは忘れるのも早いのかもしれない。
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