友人達と飲んでいる時に「理想のタイプや相手に何を求めるか」という話題になった。
そういう話題が肴になると未婚者が少ない集まりだったのでどうしても私が突っ込まれる。
どんな人がいいの?と。
「おっとりしているけど、ちゃきちゃきした人がいい」
と自分なりには至極あたりまえであるが、他人が聞くと「なにそれ?」という珍回答をした。

珍回答をした理由がある。
かつては飲み会やドライブ、スキーなど遊びのツアーをたくさん企画した。
こちらは「飲んで、遊んで楽しみたい」というふつうの人が集まれば、それでOKなのだが、ありがたいことに、女性の友人達は「どんな子を集めればいい?」と男性陣の気を遣ってくれたことが何度かある。

そこで私が「おっとりした女性がいいなぁ」とオーダーをした。
すると、当日登場した女性陣は、お嬢様風、天然といえば聞こえはいいが、集めてくれた人には申し訳ないが要は、「ドンくさい」感じのタイプばかりだった。
どんな子達が集まっても、それなりに楽しんでもらうのが仲間内の流儀だったので、お決まりのネタを含めてそこそこ盛り上がった。
女性陣を召集した女友達からは「どうだった?」と聞かれたので、「今度はちゃきちゃきした女性がいいなぁ」と答えた。

別の機会に飲み会をすると今度は確かに「ちゃきちゃきした女性達」ばかりだった。
しかし、ちゃきちゃきというよりも、仕切り屋さんが多く、こっちの話を聞かないでポンポン事が展開していく。
保守的といわれてしまうかもしれないが、ある程度は相手の状況を汲み取って理解して、「私どっちでもいい、あとはあなたが決めて」という女性の方が多くの男性は好きだ。

後日女友達からは「いったい希望のタイプはなんなの?」と聞かれたので冒頭の「おっとりしているけどちゃきちゃきしている人」と答えた。
すると「それ難しいよ~!。要は頭の回転が速くて、空気が読めて、男性をちょっと立てる容姿端麗な人でしょ!そんな人はもう片付いている(恋人がいる)わよ」といわれた。
確かにそうかもしれない。

その女友達に、理想の相手に求める条件を人に尋ねる時にホンネを聞きだす方法を教わった。
まず相手に求める譲れない条件を3つ挙げてもらうのだ。
例えば、
①性格がやさしい
②太っていない
③たばこを吸わない
という感じだ。

次に、頭の中でその3つの条件を強くイメージして次の事を想像する。
想像することは、「その3つの条件を満たした人が5人目の前に登場して、あなたに『お付き合いしてください』とお願いされるシーン」である。
その中で絶対にひとりは選ばないといけない。

そこで、選んだひとりについてどのような理由かを聞いてみる。
譲れない3つの条件を満たす5人の中からそのひとりを選んだ決め手は何?と。
この場合、たいてい出てくる回答のベスト5は、「経済力」、「容姿(顔がタイプ)」、「年齢」、「学歴」、「離婚歴のない人」だ。
その女友達曰く、その答えが実は理想の相手に対して譲れない最大の条件である、というのだ。
確かに、「譲れない3つの条件」を挙げる時に実はなかなかホンネは人にいいにくい。ちょっとはしたない、とその場の人に思われるかもしれないからだ。

変わった回答としては、「DV(ドメスティックバイオレンス)でない人」、「病気でない人」、「息がくさくない人」というものもあった。
あとで「これが最大の相手に求める条件じゃないの?」というと、過去の体験より、そうかもしれない、と感想を漏らしていた。

この話を聞いてなるほど、と思った。
人は案外、ズバっとホンネは人に吐き出せないものかもしれない。
だから、相談に乗るときはもう一枚下層の本音をうまく聞き出さないといけないのだろう。