今回の年末年始繁忙期は日本郵政公社として最後である。
それは平成19年10月に民営化・分社化を控えているからである。
日本郵政公社は2003年にそれまでの郵政事業庁から事業を引き継いだ。
初代総裁は小泉内閣の時に三顧の礼で迎えられた商船三井元会長の生田正治氏である。
生田総裁の評価は色々あるが、長年の赤字続きだった郵便部門を黒字化し、経済界からは中興の祖と呼ばれているという。
郵便業務改革のために郵政公社が取り入れたのは「カイゼン」のトヨタ生産方式を応用した「JPS(ジャパン・ポスト・システム)」。
このJPSのポイントは以下の3つである。
①すべての作業が立ち作業
(立ったり座ったりの廃止と移動が最短になるよう床に進路テープを張った)
②区分口が細分化された
(中区分作業の廃止)
③「原単位」と呼ばれる作業の進め方
(仕事量の管理と無駄のない人員配置。例:郵便900通(目安は30分で区分する)の入った小さな箱に区分し、終了した時管理ボードにチェックする)
いずれのポイントも業務改善の基本的な事項であり、論理的には効率化が図れるはずである。
しかし、トヨタから派遣された指導役の社員がJPSを重点的に進めている郵便局を監査したところ、現場にあまり浸透されていなかったという。
業務改善を定着させる時は、新しい仕事のやり方が効果的な方法であったとしてもその仕事のやり方を身体的と心理的に馴染ませる時間が必要である。
郵政労働者ユニオンのサイトをチェックしてみた。
すると、
・定型の部品を使う自動車の製造とは異なる
・日によって郵便物の量に波があるし、一つひとつ形や大きさ、重さも違うから必ずしも計画された時間ではできない
・坂道や階段、袋小路はほとんど考慮されずに持ち場が決まっている
・人員削減のため時間内に配達できずに超過勤務となり、人件費削減にはつながっていない
・立ち仕事により腰痛やひざの痛みを訴える人が続出した
・体調不良で休む人が増えて遅配の原因になり、労働強化になった
・JPSになってから元旦の持ち出し(配達数)が年々前年度より落ちている
などJPS方式についての批判的な書き込み記事が並ぶ。
元旦のテレビでは、ゆうメイト(短期のアルバイト)が時間内の配達できず怖くなって年賀状数百通を下水道に捨てたり、自宅に放置していた、という報道がされた。
報道を聞いたときは、「日本はどんどんモラルがなくなっていて忌々しきことだ」と単純に思ったけど、もしかしたらモラル低下だけを理由には出来ないのかもしれない。
それにしても、昨年の年末は25日までに年賀状の投函を完了させたのに、1月5日になってもいまだに「宛先不明」の郵便物が返送されてくる。
「公社さん、もっと早くしらせてよ~」といいたいが、郵政労働者人権ネットの書き込みによると正月三が日を過ぎてようやく事故処理郵便に手をつけている郵便局もあるそうだから、内情を知ると仕方がないのかもしれない。
現在の郵便法では実質的に紙の年賀状は現郵政公社しか取り扱えないし、民営化もされるから、私たちはさらに郵便サービスのレベルアップを当然望んでしまう。
しかし、年賀葉書以外で昨年何枚の葉書を投函したり受け取っただろう、と考えてみると、年賀状の投函・受け取り数の殆どの人が1/10以下ではないだろうか。
つまり、この年末年始の2週間に郵便事情は異常なのだ。
したがって「年末年始は特殊なんだから普段と同じことを求めてもダメなんだな」と少しはそう感じて過ごすことも必要なのかな、と思った。
それは平成19年10月に民営化・分社化を控えているからである。
日本郵政公社は2003年にそれまでの郵政事業庁から事業を引き継いだ。
初代総裁は小泉内閣の時に三顧の礼で迎えられた商船三井元会長の生田正治氏である。
生田総裁の評価は色々あるが、長年の赤字続きだった郵便部門を黒字化し、経済界からは中興の祖と呼ばれているという。
郵便業務改革のために郵政公社が取り入れたのは「カイゼン」のトヨタ生産方式を応用した「JPS(ジャパン・ポスト・システム)」。
このJPSのポイントは以下の3つである。
①すべての作業が立ち作業
(立ったり座ったりの廃止と移動が最短になるよう床に進路テープを張った)
②区分口が細分化された
(中区分作業の廃止)
③「原単位」と呼ばれる作業の進め方
(仕事量の管理と無駄のない人員配置。例:郵便900通(目安は30分で区分する)の入った小さな箱に区分し、終了した時管理ボードにチェックする)
いずれのポイントも業務改善の基本的な事項であり、論理的には効率化が図れるはずである。
しかし、トヨタから派遣された指導役の社員がJPSを重点的に進めている郵便局を監査したところ、現場にあまり浸透されていなかったという。
業務改善を定着させる時は、新しい仕事のやり方が効果的な方法であったとしてもその仕事のやり方を身体的と心理的に馴染ませる時間が必要である。
郵政労働者ユニオンのサイトをチェックしてみた。
すると、
・定型の部品を使う自動車の製造とは異なる
・日によって郵便物の量に波があるし、一つひとつ形や大きさ、重さも違うから必ずしも計画された時間ではできない
・坂道や階段、袋小路はほとんど考慮されずに持ち場が決まっている
・人員削減のため時間内に配達できずに超過勤務となり、人件費削減にはつながっていない
・立ち仕事により腰痛やひざの痛みを訴える人が続出した
・体調不良で休む人が増えて遅配の原因になり、労働強化になった
・JPSになってから元旦の持ち出し(配達数)が年々前年度より落ちている
などJPS方式についての批判的な書き込み記事が並ぶ。
元旦のテレビでは、ゆうメイト(短期のアルバイト)が時間内の配達できず怖くなって年賀状数百通を下水道に捨てたり、自宅に放置していた、という報道がされた。
報道を聞いたときは、「日本はどんどんモラルがなくなっていて忌々しきことだ」と単純に思ったけど、もしかしたらモラル低下だけを理由には出来ないのかもしれない。
それにしても、昨年の年末は25日までに年賀状の投函を完了させたのに、1月5日になってもいまだに「宛先不明」の郵便物が返送されてくる。
「公社さん、もっと早くしらせてよ~」といいたいが、郵政労働者人権ネットの書き込みによると正月三が日を過ぎてようやく事故処理郵便に手をつけている郵便局もあるそうだから、内情を知ると仕方がないのかもしれない。
現在の郵便法では実質的に紙の年賀状は現郵政公社しか取り扱えないし、民営化もされるから、私たちはさらに郵便サービスのレベルアップを当然望んでしまう。
しかし、年賀葉書以外で昨年何枚の葉書を投函したり受け取っただろう、と考えてみると、年賀状の投函・受け取り数の殆どの人が1/10以下ではないだろうか。
つまり、この年末年始の2週間に郵便事情は異常なのだ。
したがって「年末年始は特殊なんだから普段と同じことを求めてもダメなんだな」と少しはそう感じて過ごすことも必要なのかな、と思った。