年齢を重ねていろいろな経験をしてきているし、仕事柄ものごとをあれこれ考える習慣があるため、「えっ、これホントなの?」捉えるクセがついている。
これは、社会を渡っていく上では必要な考え方なのだろうけれども、度が過ぎるとものごとが素直に取れなくなって卑屈気味になるからよくない。
たまには『もうちょっと人の言葉を素直に受け取ってみないといけないな!』と思う。

「この言葉や噂の裏には何かが隠されているんじゃないの?」と思ってしまう典型的な例が、芸能人のトーク番組のコメントやテレビ、新聞報道だ。

以前であれば、渋めの俳優やロックシンガーなら「お酒が飲めない」、アイドルタレントなら「お付き合いしている恋人がいます」発言はマイナスイメージであった。
しかし、最近は親近感を売り出すためなのか「そのタレントの意外性」を敢えて暴露している。
例えば、トーク番組で俳優の泉谷しげるさん、舘ひろしさんは下戸(お酒が飲めない)であることを告白していた。
この発言を視聴者として聞いたときに「意外。。。でも実際の性格はよさそうな俳優さんなんだぁ」と感じた。
ただ、泉谷さんも舘さんも、演じるキャラクター的に日本酒をかっ食らったり、ブランデーグラスを片手にキザなセリフを言ったりするシーンがあるだろうから、「お酒が飲めません」はイメージダウンのような気もする。
しかし、「きっと芸能人だからこの発言も、次の役柄に対するイメージチェンジ戦略の一つなんだろう」と勘ぐってしまい額面通りには受け取れなかった。

報道では、「女優としては代表作がない」と言われている藤原紀香さんの熱愛発覚。
藤原さんが主演する「だめんずうぉーかー」の放映中で、視聴率がイマイチの中での「お笑いタレントの陣内智則さんとの熱愛報道」に「陣内さんは羨ましいなぁ」と素直に思った人は少なかったのではないだろうか。
殆どの人が「きっと番組宣伝の話題づくりに意外性のある陣内さんが使われたんだよ」と憶測したと思う。

しかし、12/26(大安)深夜の婚約会見でそれは意外な裏切りとして現実となった。
婚約会見でのおふたりの素で幸せそうな表情を見ていたら、視聴者としてはとっても微笑ましく感じたし、男っぽい性格がイメージである藤原さんの陣内さんからのプロポーズに対する返答の「お供します」はめちゃくちゃに好感が持てた。
婚約会見をみて、「最初、これはありえない交際と思ってすみません」と心の中でつぶやいた。

ビジネスでは、歯の浮いたお世辞を言われることもあるが、相手とのギリギリの腹の探りあい、つまり心理戦の世界を経験してきているので、あまりにも相手を素直に信じすぎると「抜け目のない人の餌食」になってしまう。
大きなダメージは幸い今まで経験がないが、ちっちゃいダメージは数多く経験したので、その結果ビジネス上は「これ以上この人に近づいたらヤバイぞ」という感覚はわかるようになったと思う。

日常の友人関係で、このビジネスセンス的な思考を発揮してしまうと時として人を傷つけてしまう。
私はあまり真剣に「褒められたり、喜ばれたりしたなぁ」という実感をする経験が少ないないので「気が回る素敵な方ですね」、「性格がとてもいいですね」、「もっとお話を聞きたい」、「センスのとてもいい」などといわれると、内心は超嬉しいのではあるが、「ホントですか?」となかなか素直になれない。

私の性格をよく知っている人は「いつも前向きなことを人には言うくせに、自分自身に対しては例によって後ろ向きな考えをしてるよ」と思ってくれる。
しかし、付き合いが間もない時にそれを言い過ぎると大切な人を失うことになってしまう。
なかなか自分の事は客観視できないけど、たまには「素直に捉えなくっちゃいけない」と
思った。