私が印象に残っている若いころの「気づき」としてボウリングがある。
初めてボウリングをやったのは、確か18歳の時だった。
その時は、真っ直ぐに投げることができず、友達に誘われても「付き合いたくない遊び」のひとつだった。
大学に入学してスポーツ系の部活に所属したら、部活動以外の時間は先輩方によくボウリングやビリヤード、当時流行っていたローラースケートに連れて行ってもらった。
その中でもボウリングに連れて行ってもらう頻度が高かった。
ボウリングは、大人数で遊びに行っても20人が4レーンぐらいで収まるので一体感があるし、誰でもとりあえずは遊べる。
しかし、当初はボウリングが嫌で嫌でたまらなかった。
せいぜい80点ぐらいしか出なかったからだ。
点数が出ないとボウリングはとっても、つまらない。
するとある先輩が投げ方のコツを教えてくれた。
これが、すごくピンと来るアドバイスだった。
どういう方法かというと、
「ジュースの缶(円柱状のもの)を真っ直ぐに転がすイメージで投げるといいよ」
というアドバイスだった。
単純なアドバイスではあるが、この言葉を聞いて「そっか、握力で保持したボールを振り回してもダメなんだ、手首を固定して、ピンに向かって垂直に転がせばいいんだ」とイメージがつかめた。
それまでは、丁寧にレーンのど真ん中にボールを投げたつもりでも必ず最後にフックまたはカーブして端っこのピンしか倒れない。
このイメージが出来たら、ボールが真っ直ぐに投げられるようになったので、1投目でピンが残ってもピンがスプリット(飛び飛びでピンが残る)しない限り、8割ぐらいの確率でスペアが取れるようになった。
現金なもので、点数が出るようになるとボウリングが面白くてたまらない。
最高点は210点程度だったけど、アベレージは180点ぐらいになった。
また、点数が1常に00点未満の友達にこの方法を実践指導?するとたいていはその日のうちに120点ぐらいは出るようになって「ミラクルだぁ」とよく感謝された。
その他にも、ボウリングの苦手な友達の動作をよく観察していると、
・立ち居地が悪い
・目掛けて投げるポイントがずれている
・身体の向きがレーンに対して垂直になっていない
など下手な人の特徴がわかるようになり、適切なアドバイスが出来るようになった。
学問もスポーツも芸術も超一流になるにはある才能が必要なのかもしれないが、一流または一流半ぐらいなら誰でも、コツをつかむ気づき⇒イメージに変える⇒実践する、でそうなれる可能性があると思う。
「きっかけとなる気づき」を与えてくれる人が周りにいるか、また、それに自らが気づき実践するかで人生は楽しくもなり、楽しくもなくになるんだろうな、と思うのである。