「売上を上げる」方法として一般的には、
・顧客の数を増やす(新規顧客、リピート顧客)
・リピート顧客の来店回数を増やす
・顧客の購買点数、購買単価を上げる
などがある。
私たちに身近な飲食チェーン店で考えてみても、それらの工夫がなされている。

「該当でのビラまき、自宅ポストへのちらし配布」などは新規顧客の拡大を狙ったものだし、「購買した額に応じたポイント制度や登録した会員に対するメルマガなどを通じた情報提供」はリピート顧客の来店回数増加を狙ったものだし、「サイドメニューを豊富にしたり、1品ごとの単価を下げたりする」のは、顧客の購買点数・単価アップを狙ったものである。

私は早朝に列車で移動する時はミスタードーナッツで食感が心地よいポン・デ・リングとあと一品(焼いもセサミパイかハムチーズパイ、ハニーデップ、ココナツ、シュガークルーラー)を買って乗り込むことが多い。
すると、スクラッチカード(ミスドカードキャンペーン)がもらえる。これはスクラッチを削ってその点数が何点以上になったらオリジナルクッズがもらえるという仕組みである。
つまり、リピート顧客の来店数を増やす対策でもあり、購買点数を増やす販売戦略でもある。

ただ、毎日ミスドでお茶して友人とおしゃべりする習慣のある決まった通勤通学経路のある女子高校生やOLさんならともなく、通常はこのポイントはたまらない。
なぜなら、
・クッズがもらえるポイントのハードルが高い(300円でカード1枚なので通常10回程度は来店する必要がある)
・ポイント収集の期間が短い(数週間で新しいキャンペーンになる)
・ポイントは他の店舗と合算できないケースが多い
などの条件があるからである。

したがって、スクラッチカードは削ることも無く「ゴミ箱へ」というケースが多い。
しかし、これはもったいない。
学生時代であれば、後輩に「スクラッチカードをやるよ」と押し付けることができたし、周りに小さい子を連れたお母さんを見つけて「どうぞ」と渡すこともできた。
しかし、今では結構いいおっさんになっているので、連れが目下の人であってもスクラッチカードをもらっても嬉しくない年齢の人だし、見ず知らずの子連れに話しかけたら不審者と思われてしまうかもしれないからそれもできない。
無難な方法として「支払う時にスクラッチカードは要りません」と申し出る方法がある。

ただ、これでは「来店間隔は空くが比較的繰り返し来店される可能性のあるリピート顧客」対策(ミスドに行こうとする動機付け強化策)としては不十分、とミスド側が感じたのであろうか。
最近(おそらく12月から)、スクラッチカードではなく購入金額ごとに加算されるポイントカード(ミスドクラブ)になった。
これならば、ポイントの収集期間が長い(有効期間1年)からスクラッチカードのように受け取り拒否も即行でカードを捨てることもない。

きっとリピート顧客の分析とその結果に基づく対策なのだろう。
大企業だから当然のことだけど、さすがだ。
あと、ミスドはたまに120円クラスの商品が100円に、190円程度の商品が150円になるキャンペーン期間がある。
この情報が携帯メルマガなどで容易に入るといいのにな、と思った。