2025年12月9日付の神戸新聞NEXTが、

『冬場の災害、あらためて備えの確認を 避難時の注意点、避難前にすべきこと』

と題した記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、記事で紹介された避難前の準備や注意点以外に私たちが、留意すべき点について考察しました。

 

《記事の要約》

2025年12月8日深夜、青森県八戸市で震度6強を観測する地震が発生し、北海道・東北の沿岸部に津波警報が出された。

冬季の災害は寒さが重大なリスクとなり、避難所でも低体温症の危険が高い。

停電で暖房が使えない事態も想定され、保温性の高い下着や防寒着、手袋、毛布、使い捨てカイロなど、防寒グッズの準備が不可欠だ。

また、冬はインフルエンザなどの感染症が流行するため、体育館等の避難生活に備え、マスクや消毒液も備えておく必要がある。

 

今回初めて発表された「後発地震注意情報」は、平時より大きな地震が起きる可能性が高まったことを示し、北海道から千葉まで7道県を対象に強い警戒を促すものだ。

対象外の地域でも、事前の備えが被害軽減につながる。

 

夜間の大地震では就寝中に被災する可能性が高く、まずは布団で頭を守り、揺れが収まった後に懐中電灯で周囲を確認する。

室内には割れたガラスが散乱している恐れがあるため、枕元に厚底スリッパと懐中電灯を置いておくことが重要だ。

 

避難行動では、停電復旧時の火災を防ぐため、ブレーカーを落とし、ガスの元栓を閉めることが求められる。

また、避難所へ行けない場合を想定し、水(1人1日3リットルで3日分)やレトルト食品・缶詰、非常用バッテリーなどの備蓄を整えることが必要だ。

さらに、家具の固定や避難所・避難経路の事前確認など、住宅内外での安全対策も欠かせない。

 

冬場の災害は寒さと停電、感染症が複合的に襲う。ふだんからの準備が、生死を分ける重要な要素となる。

(要約、ここまで)

 

《筆者の考察》

<その他の私たちが留意すべき点>

冬の大地震では、記事にある防寒具や感染症対策に加えて「避難行動そのものの難しさ」と「避難所の安全確保」という視点を持つ必要がある。

特に夜間の災害は、視界不良と低温が同時に襲うため、被災者の判断力や行動力を著しく奪う。

深夜・悪天候下での避難は想像以上に困難であり、海岸部を除けば「無理に外へ飛び出すより、自宅の安全確認を優先する」という判断も重要になる。

 

また、寒さは時に命を奪う。低体温症のリスクは強烈で、停電が長期化すれば凍死の危険も現実味を帯びる。

記事にある防寒具に加え、冬用寝袋や登山用品のような高性能の保温装備、断熱シートなど、より強力な寒さ対策が必要だ。特に高齢者や乳幼児は体温が下がりやすいため、優先的な対応が求められる。

 

さらに、大災害時には国や自治体の支援がすぐに届くとは限らず、「自助」を前提に備えるべきだ。

水や食料は3日分が公式の目安だが、10日〜2週間分を推奨する声も多い。

物価高や消費期限管理の難しさは課題だが、ローリングストック方式で日常的に入れ替えながら備蓄を維持する工夫が求められる。

 

避難所の課題についても、見過ごせない。

避難所では盗難や暴力、性被害が起こる可能性があり、実際の災害現場でも問題化してきた。

防犯ブザー、貴重品の分散管理、必要以上の備蓄を人目につかせない工夫、信頼できる人との行動など、「身を守る対策」が不可欠である。

行政も避難所の治安維持・監視体制を強化する必要があるが、個人も自衛意識を持つべきだ。

 

また、災害は冬に限らない。

夏なら熱中症対策、扇風機、飲料確保が課題となり、季節ごとの装備切り替えも重要だ。

停電を前提に、ポータブル電源やソーラーパネルの活用は極めて有効で、スマホや照明の確保は情報収集と安全の要となる。

 

最後に、地震直後は「家屋倒壊の危険」だけではなく、「寒さそのものが命を奪う現実」もある。

私たちは防寒、食料、水、電力、防犯といった複合的なリスクに備え、季節・時間帯・個人状況を踏まえた“多層の備え”を整えておくべきだ。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ989号より)
 

 

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