2026年1月4日付の「47NEWS」が、
『ピーク時の2割に減った駅弁業者、それはコンビニのせいなのか? 弁当会社社長の答えとは…JR社員が登録無形文化財を目指す理由』
と題した記事を報じていました。
以下に、この記事を要約し、駅弁事業者の今後について、考察しました。
《記事の要約》
駅弁が岐路に立たされている。
1960年代に約400社あった駅弁事業者は、現在では約82社と、ピーク時の2割ほどにまで減少した。
高速化による停車時間の短縮や、ホームでの立ち売りの消滅、駅構内へのコンビニ進出など、鉄道利用環境の変化が背景にある。
こうした中、広島の老舗・広島駅弁当の中島和雄社長は、「コンビニは文明、駅弁は文化」と語る。
全国どこでも同じ品質の商品を提供するコンビニに対し、駅弁は地域の食文化や旅の記憶を内包する存在だという考えだ。
この言葉をきっかけに、駅弁を“文化”として再評価する動きが生まれた。
JR西日本から出向していた奥山喜文さんは、駅弁と郷土料理の関係性に着目し、文化庁の「食文化ストーリー」事業に応募、採択された。
研究では、家庭で作る機会が減った手間のかかる郷土料理を、駅弁が形を変えながら継承してきた歴史が明らかにされた。
学校給食を卒業すると郷土料理に触れる機会が激減する中、駅弁が貴重な接点になっているという。
現在、JR各社と事業者は駅弁を登録無形文化財とすることも視野に、情報発信を強化している。
駅弁特有の「冷めてもおいしい」「においが抑えられている」といった製造技術も含め、駅弁を単なる弁当ではなく、日本の食文化として次世代につなぐ挑戦が続いている。
(要約、ここまで)
《筆者の考察》
<駅弁事業者の将来予測と生き残り策>
駅弁事業者がピーク時の2割にまで減少した事実は、「衰退」を意味する一方で、「淘汰が進んだ結果、役割が明確化した」とも言える。
今後の日本において駅弁事業者は、量を競う存在から、価値を磨く存在へと変わっていく可能性が高い。
まず前提として、移動時間の短縮や車内飲食のしにくさから、「空腹を満たすための弁当」という需要は、今後もコンビニや駅ナカ商品に委ねられるだろう。
価格面でも駅弁は不利であり、日常食としての回復は見込みにくい。
つまり駅弁は“贅沢品”“旅の演出装置”としての位置づけを自覚する必要がある。
その中で生き残る鍵は、「地域性の徹底」と「販路の多層化」だ。
駅弁は「食べるガイドブック」として、郷土食材や食文化を物語として提示できる強みを持つ。
裏蓋の解説、包み紙のデザイン、調理法の継承など、情報価値を含めた商品設計が不可欠となる。
これは単なる味の競争ではなく、体験価値の競争である。
次に販路だ。
現地駅売りだけに依存するモデルは限界を迎えている。
百貨店の駅弁大会、空港、高速道路、冷凍食品、さらにはECといった多様な接点を組み合わせることで、需要の平準化が可能になる。
ただし、食中毒リスクや品質管理の高度化が前提条件となるため、HACCPやトレーサビリティの徹底は不可避だ。
さらに重要なのが「使命の明確化」である。
駅弁事業者を経営する社長が指摘するように、駅弁事業者は長らく与えられた市場で商売をしてきた。
その延長線ではなく、「地域の食文化を残す担い手」という存在意義を自ら定義し、自治体、観光、教育と連携する必要がある。
これはまさにリスクベースで自社の強みと外部環境を見極める「ISO思考」に通じる。
駅弁事業者は今後、数は増えないだろう。
しかし、残った事業者が“文化インフラ”として社会に認識されれば、駅弁は細く長く、しかし確実に生き続ける。その未来は、ノスタルジーではなく、戦略によって切り拓かれるだろう。
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