GS750の煙吐きの原因追及です!! | ZUMAのブログ

GS750の煙吐きの原因追及です!!

今日は寒波到来で一日寒かったですね~~!!

日中も恐らく気温は一桁だったと思います。

今回の寒波は長引くみたいなので、雪国の方などはくれぐれもご注意を!!

 

さて今日はまずはこちらのGT380のマフラーの修正からです。

 

社外品のマフラーで、1年ほど使用して溶接部に穴があるようで、

修理のご依頼です。

 

 

漏れていた箇所は集合部分の溶接部や、繋ぎ目などに穴があるようでした。

 

 

そしていつもお願いしている方に穴埋め修理して頂きました!!

 

明らかに分かる穴と、怪しげな箇所も溶接を盛ってもらいました。

 

 

パイプの繋ぎ目もこんな感じで溶接を盛っていただきました。

そしてこちらはそのままガンコート処理に塗装です!!

 

 

そして昨日紹介していた修理車両のGS750のエンジンの、

煙吐きの原因を探して行きます。

 

4番のピストンピンが外れて、シリンダーの内壁を傷つけてしまっていたんですが、

燃焼室を見てみると、どちらかと言うと1.3番の方が明らかにオイリーな感じでした。

 

とりあえずバルブ廻りを取り外して確認して行きます。

 

 

バルブを取り外していると、あっさり原因判明です!!

 

これはバルブスプリングを取り外した状態ですが、

バルブステムシールが千切れてコッタの入る溝付近に居ます・・・

 

バルブステムシールは、シリンダーヘッド内のオイルが、

バルブステムを伝ってこない様にシーリングしているオイルシールです。

オイルシールのリップが千切れていると言う事は、

オイルは燃焼室に下がりたい放題ですね~~~。

 

煙吐きの原因はこれが一番の原因で、オイル下がりでした。

 

 

バルブを外して、ステムシールも取り外して見るとこんな感じです。

 

リップ部分だけが綺麗に千切れてしまっています。

これではオイルシールの役目をしてくれません。

 

 

これは取り外したインテークとエキゾーストのバルブです。

オイルでベタベタですが、意外にシート面は結構綺麗な状態の様です。

 

 

ただオイルが燃えていたので、バルブの下側はこんな感じで、

燃えカスのカーボンがガッツリ付着してます。

通常エキゾーストバルブは熱を持つので乾いた状態で、少し白っぽく焼けているはずなんです。

 

 

そしてバルブと燃焼室を綺麗にしてから、シート面の確認です!!

 

バルブを軽くすり合わせて、シート面に付いているカーボン等を取り除きます。

 

 

こちらがすり合わせ後のバルブです。

 

シート面も比較的均一で、幅も広がっていない状態でした。

恐らくシートカットは行われている状態のバルブ廻りの様です。

 

 

推測にはなりますが、このエンジンはおそらく内燃機加工などの処理を行って、

エンジンを組んだ人は素人さん??の様です。

ボーリングして、新品のピストンを組んだのに、使いまわしのサークリップの組み忘れで、

シリンダーを台無しにしてしまい、せっかくシートカットをしたバルブ廻りに、

バルブステムシールを誤組み??して、シールのリップを千切ったまま組んでしったような感じですね~~。

 

せっかく仕上げたシリンダーとヘッドですが、

修理しているというより、壊しているといった方が正しい気がします。

 

ちなみにインテークのマニホールドはこんな感じでした。

 

 

恐らくこの車両で作業されたのは海外かと思いますが、

せっかく組んだのに異常があって嫌になって売ってしまったのかな??

とか色々と想像してしまいます。

 

とりあえず原因が判明してくれたのと、

思っていたよりもヘッド廻りは重症ではなかったので、一安心です。