なかなかビックリな、GT550のエンジン修理車です!!
今日は風が凄すぎて、シャッターを閉めておりました。
元々埼玉のこの辺りは強風なんですが、
それを鑑みても今日はかなり強風でした。
東京の方も台風並みの強風だったみたいですね~。
さて今日は修理のご依頼のGT550の作業からです。
もともと乗られていたらしいんですが、
左のエンジンに火が入らなくなってしまったとの事で、
キャブレターか点火系??かなと、予想しておりました。
ただ実際に、お客様と車体を確認していると、
左シリンダーの圧縮が全くない状態でした・・・・
カメラをプラグホールから入れてピストントップを確認した所、
ピストンが欠けてしまっておりました。
ピストンが欠けてしまっていては、当然圧縮が出ないので、
エンジンの腰上分解は決定ですね~~~。
とりあえず分解前に色々と確認してみると、
2サイクルオイルが結構漏れてしまっている感じです。
またガスケットはかなり新しい状態の物なので、
腰上廻りが開けられてさほど時間はたっていない感じでした。
とりあえずラムエアカバーや、シリンダーヘッドを取り外して、
ピストントップを確認して行きます。
新しめなガスケットですが、すでに真ん中は漏れが発生していますね~。
そして問題の左シリンダーがこちらです!!!
ピストンのトップ部分が欠けてしまっています。
シリンダーを取り外して行くので、マフラーやキャブレターなどの、
付属部品も取り外して行きます。
そしてシリンダーを取り外して見ると、
おぉ~~~~!!なかなか凄い事になってますね~~~。
トップのピストンリングがひしゃげて、
ピストントップが欠けたようです。
と言うかそもそも、ピストン形状がGT550の物ではないですね~~。
ちなみに、取り外した左側のシリンダーはこんな感じで、
ひしゃげたリングがシリンダーを削って、ガッツリ内壁をえぐっています。
とりあえず3気筒ともにシリンダーを取り外して、
ピストンもコンロッドから外して行きます。
結構詳しい方だと分かるかもしれませんが、
まずこのピストンの焼け色の付き方が、異常ですね。
GT550は、キャブからマフラーまでは直正状ですが、
このピストンは、排気が斜めタイプのエンジン用のピストンの様です。
2サイクルエンジンの場合は、掃気ポートがバルブ代わりなので、
ポート位置が有っていないので、こんな焼け色になっているんだと思います。
そしてこちらはピストントップが欠けていた、左シリンダーのピストンスカートですが、
穴が開いています・・・・
恐らくは位置的に、ピストンリングの位置決めピンが外れて、
下に落ちて、スカートをぶち破った感じです。
リングの位置決めピンが無くなってしまって、
セカンドリングが回ってしまい、掃気ポートに引っかかって、
トップリングをひん曲げて、ピストンを割ってしまった感じですかね~~??
何の車種様なのかは不明ですが、このピストン自体に何の刻印も無いので、
社外なのは間違いない状態でした。
何故このようなピストンを使用したのかは全く分かりませんが、
このピストンを使用したがために起きたトラブルですね~~。