あれから30年 | 風の吹くまま

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怪談を語り、ウクレレ漫談で世相を切り、落語を演じる・・・実は「聴き屋」です。

 

3月8日。東電OL・渡邉泰子が渋谷区神泉のアパートで殺害されたとされる日。

 

97年だから、あれからもう30年が経つのか・・・。

 


実はこの事件、ものすごく興味深くて、ひとりでいろいろ調べ回った時期がありました。  

何だかわからないのですが、すごくひきつけられて、殺害現場のアパートにも何度も足を運んで・・・。          

 


以前取材に行ったのが2008年だから、9年前。  

もうあの犯行現場となったアパート「喜寿荘」はないだろうなあ・・・。

 

写真のドア、101号室で彼女は殺されたのです。












(以下、2008年2月23日の日記より)

 


『犯行現場の101号室のドアの前に立つ。なんだか頭の上から冷たいものを感じた。そして彼女がいつも客を拾うために立っていた地蔵を探す。円山町のホテル街にある地蔵は「泰子地蔵」と呼ばれ、彼女に共鳴する「ヤスラー」と呼ばれる女性たちが花を手向けにくる、いまや都市伝説の一スポットとなった。ホテル街にいきなり現れる地蔵には異常なほどの場違いさを感じた。ここに立って客を待ちながら、彼女はいったい何を考えていたのか・・・。そこを立ち去ろうとしたときに穏やかだった天気が一変し、いきなり突風が私を襲った。それはあたかも渡辺泰子が「来るんじゃないよ」と怒ったかのように思えた。彼女はまだ確実にこの街にいる―。渋谷駅へ向かう。センター街の若者たちは「東電OL事件」などいまやもう全く知らないだろう。突如の北風はまだ渋谷の空の上で荒れ狂っていた。』  






結局、いまだに犯人はわかっていません。 

容疑者として15年にわたって収監されていたゴビンダさんは

 

2012年に無罪が確定してネパールに帰国しました。

 

故郷に帰った彼は、いま幸せに暮らしているのでしょうか。

 


写真は、彼女が殺されていたアパート。彼女が夜な夜な立っていた円山町の地蔵前。  

いつもおでんを買っていたコンビニ。

 


(2017.3.8)