ポルトマリンからメリデへ⑥_86 | 旅の空

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歴史街道を歩いて30年、私こと、門田露(もんでんつゆ)と歩きませんか⁈関西から日本へ、そして世界へ、サンチャゴ巡礼道やインカ道待ってますよ!

   昨夜、町はずれのオスタルに着いた時は気力の欠片も残っていなかった。

夕食さえ覚えがない。

   K子さんは、朝、不機嫌だった。

 「夕べ、若い男女が数人、食事をしてたんやけど…

嫌な予感が的中してもた。夜中まで、隣りの部屋で乱痴気騒ぎや。」

   私が、知らずに朝まで眠ったことが、

全く信じられないといった表情だ。

   「元気な人は、元気な人で、苦労があるんやね」

   「そりゃ、そうや」

   素早く、頭の切り替えをしたK子さんが、

私の見ていた地図を覗き込んだ。

   「今日が、ラスト・ランになるかもね」

   昨日、何かに憑かれたように、山路を、60km近く、

ぶっ飛ばした私は、まだ半ば腑抜けていた。

   「うん。夢のようだわ」

元気を出して、腰を上げた。